サッカーの道理を正確に体現できなければ次の展開は望めない。
――ブラジル・ワールドカップで世界の潮流を確認したうえで、U-21代表の現状と今後についてどう考えていますか?
「私がよく、囲み取材でも選手たちを指して『どんぐりの背比べ』といった表現をしているように、現時点でスーパーな選手はいない。誰かひとりを中心に据えたチーム作りは目指していませんが、それでも個々を見れば、Jリーグでも試合に絡み出してきて、ある程度の経験と実力を持った選手が数多くいる。彼らを戦える集団に伸ばしていくなかで、明確な武器を持たせるのが私の仕事です。そのポジションのエキスパートになるための専門的な練習を積ませ、そしてチームとしての戦術を落とし込むなかで、様々な戦い方をシミュレートできて、表現できる『戦術武装』を整えられたら、手強いチームになるのではないでしょうか」
――このリオ世代の特徴は?
「まとまりを強く感じる世代なので、全員がひとつになったら、大きなことをしでかすのではないかという期待はありますし、覚悟を持って、自分たちはできるんだと信じてほしいという話もしています。そのためにも、ひとつの戦術に縛られるのではなく、それぞれが目の前の状況を察知して、打開するためのアイデアを出し合い、試合に勝っても満足せず、貪欲に突き進んでいけば、魅力的なチームになるはずです」
――監督の指導方法のひとつに、伝えたいことをあえてすべて言わず、選手たちに自ら気付かせる手法を取る時もありますよね? それは確かに選手たちの着実な成長を促す反面、なかなか気付いてくれないというもどかしさもあるのでは?
「トレーニングやミーティングでもヒントを与えて、それでも気付かなければね、これはもう、やり続けるしかないんですよ。一度、できたからといって、また次もできるかと言えば、そうでない場合もある。だから、ベースとなることは常に言い続けなければいけないし、選手たちが気づいて、次のステップに進めそうな可能性が感じられれば、それはしっかり選手たちにフィードバックしてあげる。その繰り返しですよ」
――根気強く取り組まなければならない作業ですね。
「ただし、同じことをやり続けるなかで、同じトレーニングでもいいかといえば、それは絶対に違う。選手たちに気付かせるためのメニューは、試行錯誤しながら、あの手この手を使って、編み出していかなければならないんです。現状、2回のキャンプを行なってきて、ベースとなるトレーニングと、少し目先を変えたトレーニングをしていますが、自分が教え込んでいるのは、なにも特別なものではなく、サッカーの道理というか、基本的なことだと思っています。それを正確に体現できなければ、次の展開は望めません。だから、選手たちがやれることしか言ってないはずだし、難しいと思ってほしくない。簡単でもないけど、でも必ずできるはずなんです」
――一歩一歩、確実に伸ばしていく手ほどきをしながら、選手たち自らが成長するための糸口を探り当てるように仕向けるわけですね?
「あるひとつの局面を切り取って、もしかしたら、ひとりでは打開できないかもしれない。でもふたりならできる、3人ならもっとスピードを上げてできると、そうした側面にも気付かせてあげたい。ひとりの選手が、自分は頑張らなければいけないと感じているけど、誰々と組んだら自分はもっと活かしてもらえる、そして自分も相手を活かしてあげられると、そういう関係性を築くのも大事なんです。いわば、その集合体がサッカーでもある。それができる集団になれるよう、私もメッセージを強く込めて教えていきたい」
「私がよく、囲み取材でも選手たちを指して『どんぐりの背比べ』といった表現をしているように、現時点でスーパーな選手はいない。誰かひとりを中心に据えたチーム作りは目指していませんが、それでも個々を見れば、Jリーグでも試合に絡み出してきて、ある程度の経験と実力を持った選手が数多くいる。彼らを戦える集団に伸ばしていくなかで、明確な武器を持たせるのが私の仕事です。そのポジションのエキスパートになるための専門的な練習を積ませ、そしてチームとしての戦術を落とし込むなかで、様々な戦い方をシミュレートできて、表現できる『戦術武装』を整えられたら、手強いチームになるのではないでしょうか」
――このリオ世代の特徴は?
「まとまりを強く感じる世代なので、全員がひとつになったら、大きなことをしでかすのではないかという期待はありますし、覚悟を持って、自分たちはできるんだと信じてほしいという話もしています。そのためにも、ひとつの戦術に縛られるのではなく、それぞれが目の前の状況を察知して、打開するためのアイデアを出し合い、試合に勝っても満足せず、貪欲に突き進んでいけば、魅力的なチームになるはずです」
――監督の指導方法のひとつに、伝えたいことをあえてすべて言わず、選手たちに自ら気付かせる手法を取る時もありますよね? それは確かに選手たちの着実な成長を促す反面、なかなか気付いてくれないというもどかしさもあるのでは?
「トレーニングやミーティングでもヒントを与えて、それでも気付かなければね、これはもう、やり続けるしかないんですよ。一度、できたからといって、また次もできるかと言えば、そうでない場合もある。だから、ベースとなることは常に言い続けなければいけないし、選手たちが気づいて、次のステップに進めそうな可能性が感じられれば、それはしっかり選手たちにフィードバックしてあげる。その繰り返しですよ」
――根気強く取り組まなければならない作業ですね。
「ただし、同じことをやり続けるなかで、同じトレーニングでもいいかといえば、それは絶対に違う。選手たちに気付かせるためのメニューは、試行錯誤しながら、あの手この手を使って、編み出していかなければならないんです。現状、2回のキャンプを行なってきて、ベースとなるトレーニングと、少し目先を変えたトレーニングをしていますが、自分が教え込んでいるのは、なにも特別なものではなく、サッカーの道理というか、基本的なことだと思っています。それを正確に体現できなければ、次の展開は望めません。だから、選手たちがやれることしか言ってないはずだし、難しいと思ってほしくない。簡単でもないけど、でも必ずできるはずなんです」
――一歩一歩、確実に伸ばしていく手ほどきをしながら、選手たち自らが成長するための糸口を探り当てるように仕向けるわけですね?
「あるひとつの局面を切り取って、もしかしたら、ひとりでは打開できないかもしれない。でもふたりならできる、3人ならもっとスピードを上げてできると、そうした側面にも気付かせてあげたい。ひとりの選手が、自分は頑張らなければいけないと感じているけど、誰々と組んだら自分はもっと活かしてもらえる、そして自分も相手を活かしてあげられると、そういう関係性を築くのも大事なんです。いわば、その集合体がサッカーでもある。それができる集団になれるよう、私もメッセージを強く込めて教えていきたい」