他の強豪国の若手は、W杯の舞台で柔軟性や割り切りといった部分を経験している。
――一方で「ハードワーク」が声高に叫ばれる昨今、「割り切る」という意識を浸透させていくのは、決して簡単ではないようにも思えます。
「例えば、前半に1点リードしてさらに2点差をつけたくても、試合の流れによってそれができなければ、後半は割り切って、1-0のまま時間を進める。中途半端に深追いしない。それは手を抜くこととは違います。そう見られがちだから、なかなか割り切れない部分があるけど、そこは指揮官である私の腕の見せどころでもあります。A代表を見据えたら、アジアだけでなく、世界でも勝ち抜けるようになるには、この柔軟性と割り切りを若いうちから刷り込んでおかなければいけないと考えています」
――日本の若い選手たちには、そうした部分が不足しているという印象があるのでしょうか?
「リオ世代の中心は、ちょうどJリーグが誕生した93年生まれで、自然とプロを目指してきた世代でもある。その育成段階で、プロになるためになにが求められてきたかというと、テクニックであり、上手さだったと思うんです。戦術面でもつなぐことが当たり前の世代に、時にはシンプルに蹴ることや、逆に相手に蹴られた時にはどう守るべきかも習得してほしい。そうした面も含めたものすべてがサッカーなんだと、教え込む必要性は感じていますね」
――その他では、今大会はボールへの高い執着心というか、1対1の局面でも、戦う姿勢を前面に押し出す国が多かったと思います。
「元々、身体能力に秀でる国が、守備面でもパワーの出し方をより強めてきた。一人ひとりの守備範囲が広く、タックルは深くて、競り合いも激しい大会でした。この点に関しては、決して身体能力が高くない日本は、判断もプレーも、スピードをもっと上げていかなければならない。本来、日本人に備わっている敏捷性も、これまで以上に高めていかなければ、世界と渡り合うのは難しいでしょう」
――オランダ代表のメンフィス・デパイや、フランス代表のポール・ポグバなど、他国のリオ世代の選手で気になった存在はいましたか?
「その世代の選手たちはすべて、注意深く観察していましたし、いろんな国で台頭してきているなと感じましたね。翻って日本は遅れを取っているとも思いました。他の国では、リオ世代の若手たちが、先ほども触れた柔軟性や割り切りといった部分をあの大舞台で戦いながらすでに経験している。その事実に危機感を覚えずにはいられません」
「例えば、前半に1点リードしてさらに2点差をつけたくても、試合の流れによってそれができなければ、後半は割り切って、1-0のまま時間を進める。中途半端に深追いしない。それは手を抜くこととは違います。そう見られがちだから、なかなか割り切れない部分があるけど、そこは指揮官である私の腕の見せどころでもあります。A代表を見据えたら、アジアだけでなく、世界でも勝ち抜けるようになるには、この柔軟性と割り切りを若いうちから刷り込んでおかなければいけないと考えています」
――日本の若い選手たちには、そうした部分が不足しているという印象があるのでしょうか?
「リオ世代の中心は、ちょうどJリーグが誕生した93年生まれで、自然とプロを目指してきた世代でもある。その育成段階で、プロになるためになにが求められてきたかというと、テクニックであり、上手さだったと思うんです。戦術面でもつなぐことが当たり前の世代に、時にはシンプルに蹴ることや、逆に相手に蹴られた時にはどう守るべきかも習得してほしい。そうした面も含めたものすべてがサッカーなんだと、教え込む必要性は感じていますね」
――その他では、今大会はボールへの高い執着心というか、1対1の局面でも、戦う姿勢を前面に押し出す国が多かったと思います。
「元々、身体能力に秀でる国が、守備面でもパワーの出し方をより強めてきた。一人ひとりの守備範囲が広く、タックルは深くて、競り合いも激しい大会でした。この点に関しては、決して身体能力が高くない日本は、判断もプレーも、スピードをもっと上げていかなければならない。本来、日本人に備わっている敏捷性も、これまで以上に高めていかなければ、世界と渡り合うのは難しいでしょう」
――オランダ代表のメンフィス・デパイや、フランス代表のポール・ポグバなど、他国のリオ世代の選手で気になった存在はいましたか?
「その世代の選手たちはすべて、注意深く観察していましたし、いろんな国で台頭してきているなと感じましたね。翻って日本は遅れを取っているとも思いました。他の国では、リオ世代の若手たちが、先ほども触れた柔軟性や割り切りといった部分をあの大舞台で戦いながらすでに経験している。その事実に危機感を覚えずにはいられません」