【ミラン番記者】本田圭佑がベンチで、「背番号10」の役割を他が担う歪すぎる事態

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年03月23日

ウイングはしばしばトレクアルティスタとして――。

スソはここまで6得点・9アシストと決定的な仕事を連発。今やミランのエースに成長した。写真:Alberto LINGRIA

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 背番号10はトレクアルティスタ(トップ下)と同列に語られることが多く、かつてのミランはオーナーであるシルビオ・ベルルスコーニが愛する4-3-1-2システムがいわば代名詞だった。
 
 しかしここ数年の監督は、あまり4-3-1-2を好んでいない。モンテッラはその理由を再三に渡りこう説明している。
 
「我々は4-3-3で戦っているが、トレクアルティスタを置くシステムにも度々変化している。ボナベントゥーラとスソがその位置でプレーすることが多い」
 
 たしかにモンテッラは、いつもサイドアタッカーの2人のうちのどちらかを中央寄りに置き、敵2ライン(DFとMF)間センターで動けるようにしている。
 
 つまりスソが、背番号10の第二候補だ。彼もまた現在は故障中だが、右サイドを軸にポジションにとらわれずプレーするのが得意。右ウイングで背番号は8だが、実際はナンバ10のトレクアルティスタに近い動きをすることが多い。
 
 その最たる例が、昨年末のドーハ(イタリア・スーパーカップ)での得点だ。スソが中央に切り込み、ボナベントゥーラにクロスを上げてゴールが生まれた。その時の陣形はまるでトレクアルティスタが2枚いる4-3-2-1のようなシステムだった。
 
 また、1点が欲しい場面だとモンテッラは、途中から4-2-3-1に切り替えることもある。そんな時はトレクアルティスタの位置に、スソ、ルーカス・オカンポス、そして本来CFのジャンルカ・ラパドゥーラが入るケースも見受けられる。本田には声が掛からない。
 
 つまり、今のミランには背番号10をつけていない背番号10がたくさん存在する。そして本物のナンバー10は、本来の仕事をできず、ベンチを温め続けているのだ。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
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