【ミラン番記者】本田圭佑がベンチで、「背番号10」の役割を他が担う歪すぎる事態

カテゴリ:海外日本人

マルコ・パソット

2017年03月23日

長期に渡りミランの背番号10がピッチに不在というかつてない事態。

故障前のボナベントゥーラはインサイドハーフとウイングで躍動。ミラン攻撃陣のキーマンになっていた。写真:Alberto LINGRIA

画像を見る

 しかし、その13か月後、まさにこのジェノア戦で、本田は正式にミランのフィールドプレーヤーの中で最もプレータイムが少ない選手となってしまった。
 
 試合前までの最下位はマティアス・フェルナンデスだったが、ジェノア戦でこのチリ代表MFはスタメン出場し、33分には決勝弾も決めた。結果、95分間のままの本田に対して、M・フェルナンデスは166分まで記録を伸ばし、ビリを抜け出したのだ。
 
 これまで何度も繰り返してきたが、開幕から7か月が経過した段階でプレータイムが95分というのはあまりに悲しい。ミランはここまでセリエA、コッパ・イタリア、イタリア・スーパーカップで計32試合を戦ってきたが、本田はたった1試合分しかプレーしていないも同然なのだ。
 
 本田がこれほど長くにベンチを温めているということは、長期に渡りミランの背番号10がピッチに不在ということを意味する。
 
 ミランの10番と言えば、かつてジャンニ・リベーラ、ルート・フリット、デヤン・サビチェビッチ、マヌエル・ルイ・コスタ、クラレンス・セードルフなど真のフォーリクラッセ(規格外の選手)が背負ってきた。常に特別視され、尊敬に値するナンバーだっただけに、いまだかつてない現象だ。
 
 本田はこの背番号の意味を本当に知っていたのか、もし知っていたのならそれを自分が背負うことに気後れはしなかったのか、誰もが一度は疑問に持つことである。
 
 残念ながら彼のこれまでのパフォーマンスは、その背番号には値しない。改めて言うまでもなく10番とは、創造性とテクニックを併せ持ったタレントが背負うサッカー界のエースナンバーだ。しかし今、ミランのその番号はベンチでうな垂れている。
 
 本田と背番号にとっては悲しい状況だ。こうした現象が起こるのは、実際に10番を背負ってはいないものの、本田以上にそれらしいパフォーマンスを見せている選手が今のミランにいるからだ。
 
 その第一候補がボナベントゥーラだ。現在は故障離脱中で、今シーズン中の復帰は絶望的だが、前半戦のパフォーマンスは10番に値するものだった。5番を背負うこのイタリア代表MFは、ラインとラインの間を大きく動き、左サイドからスタートしてボールを持って加速するか、チームメイトからのアシストを得るためにスペースを突き、違いを作り出す。
 
【関連記事】
【日本代表】招集の賛否に本田が言及。「いつか外れるのが自然の摂理。でも、今は本望じゃない」
【UAE戦|予想布陣&プレビュー】長谷部の代役は今野。コンディション優先の“ベストメンバー”で、ノルマの勝点3を取りに行く
【セルジオ越後】本田や長友には「代表への意欲を感じた」とハリル。ちょっと何を言っているか分からないよ
「まるで映画」ポドルスキの華々しい代表キャリアを写真で振り返る!
【速報】柏U-18のエースが青森山田高へ転入! 日の丸を背負うFWの一大決心に迫る

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ