「ストライカー」を体現する浅野拓磨と鈴木優磨はハリルジャパンの希望だ

カテゴリ:日本代表

熊崎敬

2017年01月31日

鈴木の顔には「この俺としたことが!!」と書いてある。

クラブW杯では世界に臆せず見事なパフォーマンスを見せた鈴木。まだまだ粗削りだが、A代表でも試したいストライカーのひとりだ。(C)Getty Images

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 大舞台でゲームの流れを一変させる――。これができるのは、ふたりが並外れた集中力を備えているからだ。そしてもちろん、度胸も据わっている。
 
 先発だろうと、スーパーサブだろうと、ピッチに向かう2人はとてもいい面構えをしている。
 
 浅野はいつも快活だ。臆したところはなく、それでいて入れ込みすぎてもいない。リオ五輪の初戦、ナイジェリアと対戦した日本代表の面々は見るからに固くなっていたが、途中起用された浅野はいつもと変わらず、伸び伸びとした様子でピッチに立った。
 
 残念ながら勝利には繋がらなかったが、左足ヒールで難易度の高いゴールを決め、日本に活気をもたらした。
 
 一方の鈴木は、全身に闘志を漲らせている。「俺様の出番ですよ」というかのような顔つきでピッチに立ち、試合中はだれよりも感情を露わにする。とくに惜しいシュートを外したときの悔しそうな表情がいい。
 
「この俺としたことが!!」
 
 顔には、こう書いてある。これは「俺なら決めて当然だ」と思っていなければ、絶対にできない表情である。
 
 ストライカーは仲間たちが大切に運んできたボールを、サポーターが祈りを込めて見守る中でフィニッシュする。この任務は、図太い精神の持ち主でなければ担えない。クリスチアーノ・ロナウドを見てほしい。プレッシャーがかかる場面になるほど、堂々としてくる。「俺を見ろ」という顔つきでプレーしている。
 
 ストライカーとはプレースタイルのことではない。生き様のことだ。そして重圧と堂々と渡り合う浅野と鈴木は、この役目を託すに相応しい。まだ10キャップの浅野はもちろん、現状でA代表招集歴すらない鈴木は、いずれも経験値が不足している。しかし、そのギャップは時間をかけて埋めればいい。
 
 3月から再開するアジア最終予選、そしてロシアでのワールドカップ本大会、ふたりの若きストライカーが主役に躍り出るかもしれない。
 
文:熊崎敬(スポーツライター)
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