「ドローでもOKだった」アウェーのオーストラリア戦が…。
UAEとの予選初戦をモノにしていれば「ドローでもOKだった」アウェーのオーストラリア戦が、「ドローでも厳しいか」という状況になったのは誤算だろう。過去2大会の最終予選でオーストラリアに一度も勝ったことのない日本(3分1敗)が、果たしてこのグループ最大のライバルから白星を掴めるだろうか。
このように不安要素は複数あるものの、ただ、「アジア最終予選で黒星スタートのチームは予選突破の確率が0パーセント」というデータを鵜呑みにすべきではないだろう。そもそも、今回と過去5大会のワールドカップでは最終予選に参戦しているチーム数が違う。
98年、02年、10年、14年大会は計 10か国、06年大会は計8か国だったが、ロシア大会は計12か国。 つまり、試合数が増えた分、1敗の重みは多少なりとも軽くなったという見方もできるわけだ(今回は3敗以上してもグループの2位以内を確保できるかもしれない)。
さらに、過去5大会のアジア最終予選で初戦黒星のチームを挙げると以下のようになる。98年大会/カザフスタン、ウズベキスタン、中国、クウェート、カタール、02年大会/タイ、ウズベキスタン、06年大会/北朝鮮、クウェート、10年大会/バーレーン、ウズベキスタン、UAE、14年大会/ウズベキスタン、レバノン、オマーン。そう、ほぼアウトサイダーなのだ。
韓国、イラン、オーストラリアといったアジアの強豪国は見当たらず、日本サッカー協会の西野朗・技術委 員長がUAE戦後に「(過去に)日本チームにそういうこと(初戦を落 とす状況)があったわけではなく、あくまで他国のデータ。日本は今、まったくそういうこと(ジンクス)は考えていないし、前に向かって行くだけ」と、強気に語ったのも頷ける部分はある。
だからといって、日本代表が今回のアジア最終予選で危機的状況にある事実は変わらない。10月6日のイラク戦に敗れれば、それこそ緊急事態。初戦黒星のジンクスを深刻に捉える必要はないが、「日本はワールドカップに出て当たり前」という感覚は一旦捨てるべきだ。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、サッカーダイジェストの独占インタビューで日本サッカーの現状についてこう述べていた。
「日本のフットボールは今、下降線 を辿っていると思います。そしてラ イバルたちは成長曲線を上向きに描 いています」
もっとも、かつてないような、少なくとも93年のJリーグ誕生後に初めて直面した「最終予選で初戦黒星」という苦境を乗り越えてワールドカップの出場権を掴めれば──。それはそれでチームの成長につながるのではないだろうか。日本にとって、良い意味での試練にしたい。
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
このように不安要素は複数あるものの、ただ、「アジア最終予選で黒星スタートのチームは予選突破の確率が0パーセント」というデータを鵜呑みにすべきではないだろう。そもそも、今回と過去5大会のワールドカップでは最終予選に参戦しているチーム数が違う。
98年、02年、10年、14年大会は計 10か国、06年大会は計8か国だったが、ロシア大会は計12か国。 つまり、試合数が増えた分、1敗の重みは多少なりとも軽くなったという見方もできるわけだ(今回は3敗以上してもグループの2位以内を確保できるかもしれない)。
さらに、過去5大会のアジア最終予選で初戦黒星のチームを挙げると以下のようになる。98年大会/カザフスタン、ウズベキスタン、中国、クウェート、カタール、02年大会/タイ、ウズベキスタン、06年大会/北朝鮮、クウェート、10年大会/バーレーン、ウズベキスタン、UAE、14年大会/ウズベキスタン、レバノン、オマーン。そう、ほぼアウトサイダーなのだ。
韓国、イラン、オーストラリアといったアジアの強豪国は見当たらず、日本サッカー協会の西野朗・技術委 員長がUAE戦後に「(過去に)日本チームにそういうこと(初戦を落 とす状況)があったわけではなく、あくまで他国のデータ。日本は今、まったくそういうこと(ジンクス)は考えていないし、前に向かって行くだけ」と、強気に語ったのも頷ける部分はある。
だからといって、日本代表が今回のアジア最終予選で危機的状況にある事実は変わらない。10月6日のイラク戦に敗れれば、それこそ緊急事態。初戦黒星のジンクスを深刻に捉える必要はないが、「日本はワールドカップに出て当たり前」という感覚は一旦捨てるべきだ。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、サッカーダイジェストの独占インタビューで日本サッカーの現状についてこう述べていた。
「日本のフットボールは今、下降線 を辿っていると思います。そしてラ イバルたちは成長曲線を上向きに描 いています」
もっとも、かつてないような、少なくとも93年のJリーグ誕生後に初めて直面した「最終予選で初戦黒星」という苦境を乗り越えてワールドカップの出場権を掴めれば──。それはそれでチームの成長につながるのではないだろうか。日本にとって、良い意味での試練にしたい。
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)