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【金田喜稔のリオ五輪総括】乏しかった指揮官の「発想力」。東京五輪に向け、育成年代の監督の“スタンス”が課題に

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2016年08月11日

「負けない采配」だったが、「勝てない采配」。グループリーグ敗退は、監督の采配ミスだったのではないか。

スウェーデンにトドメを刺したかったが、2試合連続ゴール中の浅野、相手が嫌がっていた興梠、2トップを交代。守備重視にシフトした采配には疑問を感じた。 写真:JMPA/小倉直樹

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 そのなかで限られた「勝負どころ」をいかに見逃さず、スイッチを入れるかが大切なはずだ。ただし、手倉森監督はあくまでも「受ける」という思考が前提にあり、選手たちの発想を限定させてしまっていた感じを受けた。
 
 コロンビア戦も2-2に追い付くことができたものの、そこで満足してしまい勝ち切れなかった。最終のスウェーデン戦も、トドメを刺し切れなかった。
 
 日本がグループリーグを突破するチャンスは十分にあったと思う。ただし、勝機を感じ取った時に、一気に畳み掛ける――そのように指揮官が発想を転換できなかったことが残念で仕方ない。これでは、勝ち切れない。
 
 監督や選手たちは自信を持って戦っていたと口にしているが、今回の戦い方からは、むしろ自信のなさが感じられた。しかも、23歳以下という育成年代の最後であり、選手たちに慎重に戦わせるだけでなく、この大舞台だからこそ野心を持たせないといけなかったのではないだろうか。だから、何も残せなかったかもしれない、と思うのだ。
 
「負けない采配」だったけど、「勝てない采配」だったと言えた。グループリーグ敗退は、監督の采配ミスだったのではないかと思っている。
 
 ロンドン五輪代表指揮官であり前千葉監督の関塚隆氏、U-17日本代表を率いたことのあり前FC東京の城福浩監督と、育成年代で実績を残した指導者がJリーグでは思うように成績を残せず、伸び悩んでいる。
 
 今回の手倉森監督と共通するように、自分らしいコンセプトや哲学は大切だが、そこにこだわるあまり、発想力がやや乏しく、状況を変えられずにいる気がする。ふたりとも才能があり、人間的な魅力も備えている。ただ柔軟性が感じられない。
 
 サッカーの世界も時代は目まぐるしく移ろい、1試合の90分という時間のなかでも状況は刻々と変化していく。監督は勝負師であり、知識とともに勝機を感じ取れる力が求められる。しかし、指導者たちの「知識」が重視されるあまり、感覚が磨かれていっていない気がしてならない。
 
 現在の指導者ライセンス制度は、素晴らしい実績を残した選手でさえも、B級、A級、S級と何年も段階を踏まないといけない。時間も、お金も相当にかかってしまう。もしかすると、そのライセンス発行方法についても、時代に応じた変化が求められるのかもしれない。
 
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