リオ五輪代表にオーバーエイジは必要か?本田、長友、香川ら北京五輪世代に見る功罪

カテゴリ:日本代表

加部 究

2016年06月09日

結果至上で臨むのか、フル代表への足固めか

リオ五輪の開催国・ブラジルは例外だが、ほとんどの国が五輪よりも大陸選手権への選手派遣を優先している。(C)Getty Images

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 04年アテネ大会で指揮を執った山本昌邦監督は、「アテネ経由ドイツ行き」とテーマを強調し続けた。五輪は必ずしもゴールではない。五輪をステップにして、さらに2年後のワールドカップで戦う選手を育てていくことが最大の目標だと公言した。

 しかしJFA(日本協会)は、毎度方針は現場任せで明確なスタンスを打ち出してこない。「メダル獲得」は合言葉のようになっているが、結果至上で臨むのか、その先にあるフル代表への足固めが優先なのか、そこが曖昧だからファンの想いも揺れ動く。

 また国際的な五輪の位置付けも、判断を難しくしている。特に今年は五輪直前にEUROとコパ・アメリカが同時に開催されるので、当然所属クラブの意向もあり、五輪との重複出場はほとんど見られない。今回のコパ・アメリカは記念大会で、ブラジルが五輪を自国開催するなど様々な事情が絡むが、本来なら概して大陸選手権のほうが五輪より優先順位が高い。

 しかし日本では、一般的に五輪がスポーツ界最大のイベントだと捉えられているので、サッカーも一角を占める以上、そこで話題を提供できていないと人気にも悪影響が出る。五輪好きの日本だからこそ、サッカーにとっても新規ファン開拓の絶好のチャンスで、結果に拘らなければならない事情がある。

 ただし五輪に結果至上で臨むとしても、やはりOA枠使用の是非を決めるのは難しい。サッカーの面白さや難しさは、プレミアリーグの結末やJ2の途中経過などが十分に証明 している。C大阪や千葉と比べれば、一昨年までJFLに所属していた山口の選手たちは個々の知名度や実績では格段に劣る。ところがJFLから積み上げて来た組織力で、豪華メンバーを集めた千葉やC大阪に快勝している。OA枠の発表はトゥーロン国際大会を終えた後になるわけだが、直前に合流した実力者がすぐに好影響を及ぼすとは限らない。
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