仮に遠藤を招集していれば、香川は弾き出されていた?
ただし北京世代の躍進を、そのままOA枠を使わなかったことと関連付けるのは短絡だろう。おそらく敗戦が反骨心を刺激し、バネになったことは確かだ。しかし一方で勝ち進んだとしても、彼らなら世界との差を一層リアルに認識し、成長の糧にした可能性もある。
北京五輪でボランチを務めたのは、本田拓也、細貝萌、梶山陽平らの面々だが、遠藤が出場できていれば少なからず戦力アップは望めた。1点差負けが分けに、あるいは勝利へと変わった可能性もある。この年代だからこそ1試合でも多くの真剣勝負が、日常では摂取 できない貴重な栄養になったはずだ。しかし遠藤が席を占めれば、弾き出される選手が出る。遠藤は結果を導いたかもしれないが、それでひとつの可能性を閉ざすリスクもあった。
そう考えると、とりわけ北京五輪のケースは、格好の参考資料になる。遠藤を招集できた場合に、反町監督がどんな選択をしたかは分からない。だが当時十代で選出されていた香川真司が、弾き出されてしまった可能性も否定はできない。この時点で、ドルトムントに移籍して大ブレイクする未来は、誰にも見えていないのだ。
もちろん香川なら、五輪に出場できなくても成功の道を邁進したかもしれないが、五輪で日の丸をつけたことがフル代表選出へのタイミングを早め、ブレイクを後押しした可能性もある。そして香川の成功を保証するにはユルゲン・クロップ監督が指揮を執るあの10年夏にドルトムントへ移籍する必要があった。こうして振り返っても、OA枠の是非は非常にナーバスな問題になるのだ。
北京五輪でボランチを務めたのは、本田拓也、細貝萌、梶山陽平らの面々だが、遠藤が出場できていれば少なからず戦力アップは望めた。1点差負けが分けに、あるいは勝利へと変わった可能性もある。この年代だからこそ1試合でも多くの真剣勝負が、日常では摂取 できない貴重な栄養になったはずだ。しかし遠藤が席を占めれば、弾き出される選手が出る。遠藤は結果を導いたかもしれないが、それでひとつの可能性を閉ざすリスクもあった。
そう考えると、とりわけ北京五輪のケースは、格好の参考資料になる。遠藤を招集できた場合に、反町監督がどんな選択をしたかは分からない。だが当時十代で選出されていた香川真司が、弾き出されてしまった可能性も否定はできない。この時点で、ドルトムントに移籍して大ブレイクする未来は、誰にも見えていないのだ。
もちろん香川なら、五輪に出場できなくても成功の道を邁進したかもしれないが、五輪で日の丸をつけたことがフル代表選出へのタイミングを早め、ブレイクを後押しした可能性もある。そして香川の成功を保証するにはユルゲン・クロップ監督が指揮を執るあの10年夏にドルトムントへ移籍する必要があった。こうして振り返っても、OA枠の是非は非常にナーバスな問題になるのだ。