得点力不足解消のために打った一手が裏目に。
マンチーニはウインターブレイクというまとまったトレーニング期間を通して、前半戦を通しての課題だった得点力不足を解消するために、チームとしての振る舞いをより攻撃的な方向にシフトしようと試みた。はっきりと変わったのは中盤の構成である。
前半戦はガリー・メデル、フェリペ・メロという2人の守備的MFを同時起用して最終ラインをプロテクトしており、それがディフェンスの安定を支えていた。
しかし、17節のラツィオ戦でF・メロがレッドカードを受け3試合の出場停止になったのをきっかけに、それまで控えだったより攻撃的なマルセロ・ブロゾビッチをレギュラーに起用するようになる。
4-4-2や4-2-3-1など2セントラルMFのシステムではメデルとペアを組ませ、4-3-3など3MFのシステムではメデルをアンカーに据えてジョフレー・コンドグビアとともにインサイドハーフに起用。時にはサイドハーフとしてもプレーさせるなど、後半戦を通してマンチーニはブロゾビッチを中盤のキープレーヤーとして扱った。
しかしその結果はポジティブなものではなかった。中盤で守備的に振る舞うプレーヤーがメデルひとりになったことで最終ラインをプロテクトするフィルター機能が明らかに低下し、被シュート数、失点数ともに目に見えて増加する結果になったのだ。
しかも、狙いだった得点力不足の解消が実現したわけでもなかった。前半18試合で24得点、後半18試合で23得点だから、横ばいでしかない。中盤の構成がより攻撃的になったにもかかわらず、それが失点の増加につながるばかりで得点の増加につながらなかったことが、失速の最大の原因だったということができる。
では得点の増加につながらなかった理由はどこにあるのか。指摘されているのは、中盤の構成力不足、つまりポゼッションとチャンスメークの質の低さだ。CBの2人(ミランダ、ジェイソン・ムリージョ)、そしてアンカーのメデルという、ビルドアップの起点となるべき3人がテクニックと攻撃センスを欠いているため、後方からスムーズにボールが出てこない。
ブロゾビッチにしてもパスの出し手としてよりも受け手として持ち味を発揮するタイプで、パスの精度やタイミングはそれほど高くはない。コンドグビアも回りにサポートがいればリズム良くワンタッチでボールをさばけるが、例えばユーベのポール・ポグバやローマのミラレム・ピャニッチのように単独で状況を打開するクオリティーを備えているわけではない。
それゆえ中盤でのポゼッションが安定せず、ボールがそこで停滞していい形で前線に送り込まれる場面が作れないという結果になっている。これは前半戦からインテルが一貫して抱えてきた問題点だが、マンチーニはこれを解消しようとしてチームの構成をより攻撃的な方向に振った結果、前半戦の「1-0勝ち」を支えてきた攻守のバランスがあっけなく崩れ、それを立て直せないままここまで来てしまったということになる。
前半戦はガリー・メデル、フェリペ・メロという2人の守備的MFを同時起用して最終ラインをプロテクトしており、それがディフェンスの安定を支えていた。
しかし、17節のラツィオ戦でF・メロがレッドカードを受け3試合の出場停止になったのをきっかけに、それまで控えだったより攻撃的なマルセロ・ブロゾビッチをレギュラーに起用するようになる。
4-4-2や4-2-3-1など2セントラルMFのシステムではメデルとペアを組ませ、4-3-3など3MFのシステムではメデルをアンカーに据えてジョフレー・コンドグビアとともにインサイドハーフに起用。時にはサイドハーフとしてもプレーさせるなど、後半戦を通してマンチーニはブロゾビッチを中盤のキープレーヤーとして扱った。
しかしその結果はポジティブなものではなかった。中盤で守備的に振る舞うプレーヤーがメデルひとりになったことで最終ラインをプロテクトするフィルター機能が明らかに低下し、被シュート数、失点数ともに目に見えて増加する結果になったのだ。
しかも、狙いだった得点力不足の解消が実現したわけでもなかった。前半18試合で24得点、後半18試合で23得点だから、横ばいでしかない。中盤の構成がより攻撃的になったにもかかわらず、それが失点の増加につながるばかりで得点の増加につながらなかったことが、失速の最大の原因だったということができる。
では得点の増加につながらなかった理由はどこにあるのか。指摘されているのは、中盤の構成力不足、つまりポゼッションとチャンスメークの質の低さだ。CBの2人(ミランダ、ジェイソン・ムリージョ)、そしてアンカーのメデルという、ビルドアップの起点となるべき3人がテクニックと攻撃センスを欠いているため、後方からスムーズにボールが出てこない。
ブロゾビッチにしてもパスの出し手としてよりも受け手として持ち味を発揮するタイプで、パスの精度やタイミングはそれほど高くはない。コンドグビアも回りにサポートがいればリズム良くワンタッチでボールをさばけるが、例えばユーベのポール・ポグバやローマのミラレム・ピャニッチのように単独で状況を打開するクオリティーを備えているわけではない。
それゆえ中盤でのポゼッションが安定せず、ボールがそこで停滞していい形で前線に送り込まれる場面が作れないという結果になっている。これは前半戦からインテルが一貫して抱えてきた問題点だが、マンチーニはこれを解消しようとしてチームの構成をより攻撃的な方向に振った結果、前半戦の「1-0勝ち」を支えてきた攻守のバランスがあっけなく崩れ、それを立て直せないままここまで来てしまったということになる。