「スクデットを疑わなかったと言えば嘘になる」
優勝を事実上決定づけた4月24日のフィオレンティーナ戦(35節)は、ユベントスの今シーズンを象徴するような試合だった。
ポゼッションで主導権を握ろうとするフィオレンティーナにボールを預けて受けに回り、数少ないチャンスを活かして39分に先制。その後も堅守を盾にして試合をコントロールするも、残り10分を切ったところで猛攻を仕掛けるフィオレンティーナに同点に追いつかれる。
それで落胆するどころか、すぐさまフルスロットルで逆襲に転じると、わずか2分後に途中出場したアルバロ・モラタがゴールを決めて再びリード。ところが、時計が90分を回ろうとするところで、最後の抵抗を試みたフィオレンティーナに不用意なPKを与えてしまう。
ニコラ・カリニッチがゴール右隅を狙って蹴ったそのPKを確かな読みを活かした鋭いダイブで弾き出し、そのこぼれ球に詰めたフェデリコ・ベルナルデスキのシュートをも素早い反応でブロックしたのは、ほかでもない主将ブッフォンだった。
そのブッフォンはスクデットが決まった後、こう語っている。
「このスクデットを一度も疑わなかったと言えば嘘になる。シーズンの序盤は、不振を楽観的に考えすぎたがゆえに泥沼に陥ってしまったのではないかと思ったし、このまま立ち直れないのではないかという恐怖に感じた時もあった」
「しかし最後には、チームメート一人ひとりが責任感を感じ、一体となって困難を乗り越えて、この信じられない偉業を達成できた。5連覇という重要性だけでなく、いかにして勝ち取ったかということを考えても、これは俺たちにとってエポックメーキングなスクデットだ」
文:片野道郎
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。
ポゼッションで主導権を握ろうとするフィオレンティーナにボールを預けて受けに回り、数少ないチャンスを活かして39分に先制。その後も堅守を盾にして試合をコントロールするも、残り10分を切ったところで猛攻を仕掛けるフィオレンティーナに同点に追いつかれる。
それで落胆するどころか、すぐさまフルスロットルで逆襲に転じると、わずか2分後に途中出場したアルバロ・モラタがゴールを決めて再びリード。ところが、時計が90分を回ろうとするところで、最後の抵抗を試みたフィオレンティーナに不用意なPKを与えてしまう。
ニコラ・カリニッチがゴール右隅を狙って蹴ったそのPKを確かな読みを活かした鋭いダイブで弾き出し、そのこぼれ球に詰めたフェデリコ・ベルナルデスキのシュートをも素早い反応でブロックしたのは、ほかでもない主将ブッフォンだった。
そのブッフォンはスクデットが決まった後、こう語っている。
「このスクデットを一度も疑わなかったと言えば嘘になる。シーズンの序盤は、不振を楽観的に考えすぎたがゆえに泥沼に陥ってしまったのではないかと思ったし、このまま立ち直れないのではないかという恐怖に感じた時もあった」
「しかし最後には、チームメート一人ひとりが責任感を感じ、一体となって困難を乗り越えて、この信じられない偉業を達成できた。5連覇という重要性だけでなく、いかにして勝ち取ったかということを考えても、これは俺たちにとってエポックメーキングなスクデットだ」
文:片野道郎
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。