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ミラン番記者の現地発・本田圭佑「ブロッキ新監督の下でバックアッパーに降格…。再び這い上がれるか?」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2016年04月20日

何度も苦境を脱してきた本田だが、今回ばかりは…。

サンプドリア戦では実質的なトップ下として振る舞ったバロテッリ。スタートポジションこそ異なるが、本田のライバルと言っていい。写真:Alberto LINGRIA

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 本田はミランで何度も同じような境遇に追い込まれながらも、最後はいつもクラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギ、そしてミハイロビッチという監督たちの信頼を勝ち取ってきた。だから、希望を捨てる必要はまったくない。しかし、今回ばかりはそう簡単には事が運ばない可能性がある。
 
 まず、今シーズンの残りが6試合(セリエA5試合+5月21日のコッパ・イタリア決勝)とかなり限られている。さらにブロッキは、ボナベントゥーラ、バッカ、バロテッリという攻撃トリオに大きな手応えを感じているのだ。
 
 本田にとって注意すべきなのは、実はボナベントゥーラではなくバロテッリだ。サンプドリア戦でこの怪物は、ボールを受けるために最前線から敵2ライン(DFとMF)や中盤に頻繁に下がり、そこからミドルシュートや仕掛けを狙っていた。
 
 ボールタッチ数は、ボナベントゥーラよりバロテッリのほうが明らかに上。そう、実質的にトレクアルティスタの役割を担っていたのは、バロテッリだったのだ。
 
 そして本田にとって危険なのは、ミランがこの悪童を本気でチームの中心に戻そうとしていることだ。たしかにここ2試合のバロテッリは、ポジティブな印象を残している。諸刃の剣だと誰もが分かっているが、その打開力はやはり捨てがたいのだろう。
 
 このサンプドリア戦でボナベントゥーラは88分にベンチに退き、代わってケビン=プリンス・ボアテングが入った。そのため、「本田はトレクアルティスタの三番手」と書き立てるメディアもあったが、私はそうは思わない。
 
 今冬に加入したボアテングは、いまだフィジカルコンディションが整っていない。1-0で逃げ切ろうとしていたサンプドリア戦でブロッキが本田ではなくボアテングを投入したのは、ボアテングのほうが本田よりも瞬間的な爆発力があるからだ。
 
 ほんの数分間だけ使うなら、本田よりもボアテングのほうが適しているという判断である。つまり今回の起用は特別であり、本田のライバルとは言い難い。
 
 繰り返すが、今の本田にとってのライバルはボナベントゥーラ、そしてバロテッリなのだ。これまでのように賜わぬ努力とアピールによって、バックアッパーからレギュラーに這い上がれるのか。注目したい。
 
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
 
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
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