現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「リバプール戦の香川交代は得策ではなかった」

カテゴリ:連載・コラム

マルクス・バーク

2016年04月20日

私の記憶に一生残り続ける最高のゲーム。

香川を交代した直後に同点ゴールを献上したドルトムント。はたしてトゥヘルの采配は正しかったのだろうか。(C)Getty Images

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 さて、どこから触れていこうか。前向きに、タイトル獲得の可能性が残るDFBカップの準決勝について語るべきか? それとも、ヨーロッパリーグ準々決勝のリバプール戦を振り返るべきだろうか?
 
 ドイツではよく「悪いニュースから先に」と言う。まずは、3-4で敗れたリバプール戦の第2レグを振り返ろう。
 
 まったく、どれほど劇的な結末だったか。これまでスタンドで観戦した試合のなかでも最高のゲームのひとつとして、私の記憶に一生残り続けるだろう。なかでも素晴らしかったのは、リバプール・サポーターの大声援と、選手たちを信じる彼らのパワーだ。
 
 私は、2004-05シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝、あのイスタンブールの夜のことを思い起こしさえもした。そう、前半終了時点でミランに3点をリードされていたにもかかわらず、リバプールが逆転でビッグイヤーを掲げたあの試合だ。
 
 2-3と1点差に詰め寄られた66分以降、トーマス・トゥヘル監督はいくつかの采配を振るった。例えば77分には、香川真司に代えてマティアス・ギンターを投入。その数秒後、ボールはそのギンターの横を通り、ママドゥ・サコにヘッドで同点ゴールを叩き込まれた。あとの経緯は、周知の通りである。
 
 この交代策が間違いだったとは言わない。しかし1点を全力で死守するよりも、ボールをキープして攻撃的に振る舞うべきだったと私は思う。そのためには香川は残すべきだったし、好パフォーマンスを披露していたマルコ・ロイスを途中で下げたのも、結果的にはマイナスに作用した。
 
 そのリバプール戦から17日のハンブルク戦までの3日間が、ドルトムントにとって厳しいスケジュールだったのは理解できる。香川が両試合で先発できたのは良かったものの、裏を返せば、90分以上出場したということは、20日のヘルタ・ベルリン戦ではベンチスタートの可能性が低くない。
 
 ベルリンで行なわれるこの一戦は、実に興味深い。ヘルタ・ベルリンが勝てば、本拠地開催の決勝に進出できるからだ。DFBカップの決勝は1985年以来、ベルリンのオリンピアで行なわれている。
 
 ヘルタ・ベルリンは92-93シーズンに一度ファイナルに進んだことがあるが、実はその舞台に立ったのはセカンドチーム(U-23)だった。“1軍”は、優勝したレバークーゼンに1回戦で敗れている。
 
 このようにDFBカップでは、サプライズが起こりやすい。とはいえ、20日の準決勝でドルトムントが負ければ驚きだ。ドルトムントの選手層はヘルタ・ベルリンのそれより厚いし、タレント力にも差がある。それに、ヘルタ・ベルリンの主力は疲労が蓄積している。今シーズンは欧州カップ戦の負担がないとはいえ、ほぼメンバーを固定して戦っているからだ。

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