日本のメディアは、こういう試合でも「快勝」と見出しを打つけど、しっかりと試合の位置付けを理解して報道してほしいね。サッカーどころの国だったら、こんな”消化試合”にあれほど観客は入らないし、新聞も試合結果と得点者を伝えるくらいで一面にはならないんじゃないかな。
 
　最終予選での５-０ならまだしも、２次予選の５-０を手放しで褒め称えているようでは、ファンは勘違いしてしまう。そのあたりの感覚を日本のメディアが身につけないと、サッカー文化は根付かないよ。
 
　それにしても、今回の２次予選の組合せは、なんとも言えなかったね。政情不安を抱えるシリアとアフガニスタンと同居していたから、アウェーゲームがふたつもなかった。
 
　シリア戦とアフガニスタン戦は、いずれも中立地の開催（シリア戦はオマーン、アフガニスタン戦はイランで開催）。中東で行なわれたとはいえ、本当の意味でのアウェーではない。そんな条件を与えられた日本が１位通過を逃したら、それこそ大失態と言ってもいいだろうね。
 
　まあ、日本は３月29日に１位通過をかけてシリアと戦うけど、まずはこの試合をきっちり勝たないといけないね。シリアは少なくとも、アフガニスタンより手応えのある相手。日本のほうが優位ではあるけど、脅かされる可能性は十分にある。
 
　シリアはこの試合に勝てば、日本を逆転して１位通過を決められるから、シビアなゲームプランを用意してくるだろう。失点のリスクを減らして一発のカウンターにかける。そんな展開が予想できる。
 
　そういう相手を攻めあぐねてスコアレスドローで終わったりしたら、日本は大きな課題を抱えたまま最終予選に進むことになるよ。なんとしてもゴールを奪って、最終予選に自信を持って挑める状態を作らないとね。
 
　おそらく、シリア戦では本田や香川といった不動のメンバーがスタメンに並ぶだろう。昨年10月の試合では、３-０で勝っているから、それ以上のスコアを期待したいところだ。