本田の献身を同僚アバーテも手放しで絶賛する。
シーズンも残り12試合となった今、ミランが目標の3位(チャンピオンズ・リーグ出場圏内)に辿り着けるのか否か、予測するのは難しい。26節を終えて6位のミランは、3位フィオレンティーナと勝点8差。覆すのが不可能ではないが、簡単ではない数字だ。
しかし、ひとつだけ確かなことがある。コンパクトなシステムを見出し、選手個々の特徴を活かせている現在のミランは、より強固でバランスの良いチームになっている。その大きな助けとなっているのが、本田とボナベントゥーラだ。両サイドで彼らは、常に足を止めず攻守に絡むという負荷の大きな仕事、いわゆる“汚れ仕事”を忠実に実践している。
本田のクロスからボナベントゥーラのゴールというナポリ戦のシーンは、システムを4-3-3から4-4-2に変更した時に、ミハイロビッチがまさに思い描いていた形だった。
いまミランより上位にいるローマ、フィオレンティーナ、インテル、ナポリとの年明け以降の試合でミランは、実に勝点8(2勝2分け)を稼ぎ出している。昨年末の時点で彼らがここまで復活すると、誰が想像できただろうか。
シーズン前半と後半のミランの違いをより明確に知るために、それぞれの最初の7試合(1~7節、19~26節)のデータを比較してみよう。勝点は前半が9で、後半が16、ゴール数は前半が8で、後半が13、失点は前半が13、後半で5、そして1試合平均勝点は前半が1.28、後半が2.28。つまり前半と比べて後半のミランは、約2倍の速度で進んでいるのだ。
状況が劇的に変われば、すぐにでも結果に反映されてくるのが、サッカーの面白い点でもある。そしてその劇的な変化はミランだけでなく、本田に関しても言える。
ミランがチャンピオンズ・リーグを目指すのであれば、このまま絶対に歩みを緩めてはいけない。しかし、本田に関しては心配無用だろう。ピッチ内外で良い関係を築いているイニャツィオ・アバーテが、それを保証している。
「ケイスケは本当によく走る。タッチライン際の上下動を何百回も繰り返しながら、決して疲れることがない」
下から上を追い上げるチームには、まさにこうした“不屈の男”が不可欠なのだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
しかし、ひとつだけ確かなことがある。コンパクトなシステムを見出し、選手個々の特徴を活かせている現在のミランは、より強固でバランスの良いチームになっている。その大きな助けとなっているのが、本田とボナベントゥーラだ。両サイドで彼らは、常に足を止めず攻守に絡むという負荷の大きな仕事、いわゆる“汚れ仕事”を忠実に実践している。
本田のクロスからボナベントゥーラのゴールというナポリ戦のシーンは、システムを4-3-3から4-4-2に変更した時に、ミハイロビッチがまさに思い描いていた形だった。
いまミランより上位にいるローマ、フィオレンティーナ、インテル、ナポリとの年明け以降の試合でミランは、実に勝点8(2勝2分け)を稼ぎ出している。昨年末の時点で彼らがここまで復活すると、誰が想像できただろうか。
シーズン前半と後半のミランの違いをより明確に知るために、それぞれの最初の7試合(1~7節、19~26節)のデータを比較してみよう。勝点は前半が9で、後半が16、ゴール数は前半が8で、後半が13、失点は前半が13、後半で5、そして1試合平均勝点は前半が1.28、後半が2.28。つまり前半と比べて後半のミランは、約2倍の速度で進んでいるのだ。
状況が劇的に変われば、すぐにでも結果に反映されてくるのが、サッカーの面白い点でもある。そしてその劇的な変化はミランだけでなく、本田に関しても言える。
ミランがチャンピオンズ・リーグを目指すのであれば、このまま絶対に歩みを緩めてはいけない。しかし、本田に関しては心配無用だろう。ピッチ内外で良い関係を築いているイニャツィオ・アバーテが、それを保証している。
「ケイスケは本当によく走る。タッチライン際の上下動を何百回も繰り返しながら、決して疲れることがない」
下から上を追い上げるチームには、まさにこうした“不屈の男”が不可欠なのだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。