最後に全体の総括として、「コンディショニング」や「チームマネジメント」などについても話が及んだ。

・コンディショニングの成功
　手倉森監督と早川コンディショニングコーチを中心にコーチングスタッフが徹底的に話し合い、疲労回復を計測したり、個別性を重視したりしたコンディショニングのおかげで、６試合を通じてコンディションの維持に成功。「良い準備をして、良いコンディショニングで戦えば、日本はアジアの中では十分戦える」と霜田委員長は改めて強調した。
 
・監督のチームマネジメント
　チームの意義、目的、目標と方向性がチームに明確に提示された。「このチームではこういうプレーができなければ試合に使われない、このチームはこういうことをやらないと生きていけないという、チームとしての価値観の統一・徹底を２年間かけてやってくれた」と霜田委員長も手倉森誠監督の手腕を高く評価した。
 
・選手戦力の均衡
　各クラブで試合に出られるようになった選手が増え、奈良竜樹や井手口陽介のようにJリーグ・U-22選抜としてJ3で試合経験を積んだ選手も23人に勝ち残り、高い競争力が示された。「23人の誰を使っても戦力が落ちなかった。23人が力を合わせることができたのが勝因のひとつだと思います」と霜田委員長は評価した。
 
・スタッフワーク
　スタッフの役割分担が明確化されたうえで、スタッフはU-23代表以外のチームに顔を出し、経験と知見を増やし、それをU-23代表に還元した。「いろんなカテゴリーを経験したコーチたちがその経験を柔軟に選手たちに伝えてくれた。それが最後の最後で発揮されたと思います」と霜田委員長は分析した。
 
・積年の経験を活かしたJFAチームサポート
　日程、合宿、シェフ帯同、疲労回復、移動手段、選手招集など、日本サッカー協会が培ってきた経験が生かされた。久保裕也と南野拓実の欧州組を呼べたのも、ロンドン五輪の予選の際に大津祐樹を招集するのが困難だった経験を活かし、かなり早い段階からクラブとコミュニケーションを取っていたからだった。「彼らがウインターブレイクのあるリーグに所属していた幸運もあるが、２クラブが我々の趣旨を理解して協力してくれたことにも感謝したい。久保と南野が合流して最後まで戦ってくれたこともチームの団結力につながった」と霜田委員長は語った。