11~23位|前々回覇者の富山一に見られる“優勝効果”と越境入学の原動力。
11位以下にもなると、全体に占める地元代表校出身者の割合が高くなる。県外への人材流出が比較的少ないと言えるが、そうしたなかにも近年の傾向や、興味深いドラマが隠されているものだ。
第94回 全国高校サッカー選手権
出身都道府県別 出場選手数ランキング(11~23位)
※( )内は地元代表校の選手数
11位:滋賀……35人(30人)
広島……35人(30人)
13位:岐阜……34人(30人)
14位:北海道…33人(29人)
富山……33人(28人)
佐賀……33人(30人)
沖縄……33人(30人)
18位:新潟……32人(30人)
長野……32人(30人)
山口……32人(30人)
香川……32人(30人)
大分……32人(30人)
23位:山形……31人(30人)
茨城……31人(19人)
注目ポイント3)選手権優勝の効果
前ページのJクラブ下部組織出身ランキングで3位に食い込んだのが9人を輩出した富山U-15。9人すべてが、前々回大会で劇的な優勝を遂げた富山県代表の富山一に所属している。
じつは富山一の大塚一朗監督は前々回の優勝後、『高校サッカーダイジェスト』のインタビューにこう語っている。
「今年は厳しいですよ。新3年生(※2015年春に卒業)が本当に少ない。じつは新3年生の代から発足したカターレ富山U-18に多くのタレントが進んだこともあって、層がかなり薄くなっている。だからこそ、試合で結果を出すために、さらなる工夫をしなければいけない」
2012年に富山U-18が発足する以前の09年には富山U-15も発足しているが、2013年の優勝当時にはやはり富山U-15出身の選手はひとりも入っていない。そして大塚監督が危惧したとおり、昨季は総体、選手権ともに全国を逃す結果となってしまった。
ただし、全国優勝の効果は大いにあったようだ。部員数は優勝当時の94人(2013年時)から122人(2015年)に増加。競争力が格段に上がったなかで、今大会は9人の富山U-15出身選手のうち期待の1年生3人がエントリー予定となっている。
注目ポイント4)プロになる夢、選手権への憧れ
23位の山形(31人)は、地元代表校の日大山形がオール県内出身者で、1人のみが県外チームからの参戦となっている。そして、この1人こそ来季の湘南加入が内定する今大会注目のアタッカーで、青森山田の10番を背負う神谷優太である。
山形で生まれ育った神谷は、小学校時代に東京ヴェルディジュニアのセレクションに合格。プロになる夢を叶えるべく、母親とともに生活の拠点を東京に移し、東京Vジュニアからジュニアユース、ユースと順調にキャリアを重ねていった。
しかし、6年前に柴崎岳を中心とする青森山田の準優勝を見て以来、選手権にはずっと憧れがあったという。それを今年1月、青森山田への転入という形で実現させた。
加入して1年にも満たないチームで神谷はすぐさまフィット。高円宮杯プレミアリーグEASTでは今年、得点ランキング3位の活躍で優勝こそ逃したもののリーグ2位の好成績にも大きく貢献している。
神谷のケースは象徴的な例で、こうした夢や憧れという強い想いが、越境入学という決断の大きな原動力になっていると言えるだろう。
第94回 全国高校サッカー選手権
出身都道府県別 出場選手数ランキング(11~23位)
※( )内は地元代表校の選手数
11位:滋賀……35人(30人)
広島……35人(30人)
13位:岐阜……34人(30人)
14位:北海道…33人(29人)
富山……33人(28人)
佐賀……33人(30人)
沖縄……33人(30人)
18位:新潟……32人(30人)
長野……32人(30人)
山口……32人(30人)
香川……32人(30人)
大分……32人(30人)
23位:山形……31人(30人)
茨城……31人(19人)
注目ポイント3)選手権優勝の効果
前ページのJクラブ下部組織出身ランキングで3位に食い込んだのが9人を輩出した富山U-15。9人すべてが、前々回大会で劇的な優勝を遂げた富山県代表の富山一に所属している。
じつは富山一の大塚一朗監督は前々回の優勝後、『高校サッカーダイジェスト』のインタビューにこう語っている。
「今年は厳しいですよ。新3年生(※2015年春に卒業)が本当に少ない。じつは新3年生の代から発足したカターレ富山U-18に多くのタレントが進んだこともあって、層がかなり薄くなっている。だからこそ、試合で結果を出すために、さらなる工夫をしなければいけない」
2012年に富山U-18が発足する以前の09年には富山U-15も発足しているが、2013年の優勝当時にはやはり富山U-15出身の選手はひとりも入っていない。そして大塚監督が危惧したとおり、昨季は総体、選手権ともに全国を逃す結果となってしまった。
ただし、全国優勝の効果は大いにあったようだ。部員数は優勝当時の94人(2013年時)から122人(2015年)に増加。競争力が格段に上がったなかで、今大会は9人の富山U-15出身選手のうち期待の1年生3人がエントリー予定となっている。
注目ポイント4)プロになる夢、選手権への憧れ
23位の山形(31人)は、地元代表校の日大山形がオール県内出身者で、1人のみが県外チームからの参戦となっている。そして、この1人こそ来季の湘南加入が内定する今大会注目のアタッカーで、青森山田の10番を背負う神谷優太である。
山形で生まれ育った神谷は、小学校時代に東京ヴェルディジュニアのセレクションに合格。プロになる夢を叶えるべく、母親とともに生活の拠点を東京に移し、東京Vジュニアからジュニアユース、ユースと順調にキャリアを重ねていった。
しかし、6年前に柴崎岳を中心とする青森山田の準優勝を見て以来、選手権にはずっと憧れがあったという。それを今年1月、青森山田への転入という形で実現させた。
加入して1年にも満たないチームで神谷はすぐさまフィット。高円宮杯プレミアリーグEASTでは今年、得点ランキング3位の活躍で優勝こそ逃したもののリーグ2位の好成績にも大きく貢献している。
神谷のケースは象徴的な例で、こうした夢や憧れという強い想いが、越境入学という決断の大きな原動力になっていると言えるだろう。