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“育成の水戸”への挑戦。かつて浦和レッズで鳴かず飛ばずだった男がセカンドキャリアで名GMへと飛躍するまで

カテゴリ:Jリーグ

河野 正

2023年04月06日

才気煥発な若手が次々とJ1クラブへ移籍

水戸の執務室からは、クラブ繁栄のための知恵を次々と生み出されている。写真:河野正

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 現役時からカルチャーセンターでカウンセリングを学び、治療院では身体づくりの手法を探究。軽やかなドリブルを身に付けようとヒップホップのダンス教室にも通った。育成の指導者に就くと中高生の進路相談に応じるため、専門学校でキャリアカウンセラーの資格を取得した。

 とにかく自分の価値を高めるためには何にでも挑戦し、踏み出してきた。水戸で重責を担うようになると、選手とクラブと地域のために身を粉にして走り回る毎日だ。

“育成の水戸”と評価され、才気煥発な若手が次々とJ1クラブへ移籍。21年夏だけでも平野佑一(浦和)、柳澤亘(ガンバ大阪)、住吉ジェラニレショーン(サンフレッチェ広島)の3人が老舗クラブへ移って、高額な移籍金を得た。「ここ4年ほどの統計では、J2からJ1への移籍は水戸が一番多く、優れた新人も毎年加入しています」と胸を張る。GMとしてさぞかし鼻が高いことだろう。

 選手の健康に気を配り、21年には移籍金でアイスバスと衝撃波マシン、アイシングマシンを購入。これだけ多くの医療機器を所有するJ2クラブは珍しいという。

 FC今治の渡辺隆正コーチは西村とは浦和の同期で、昨季まで浦和のアカデミーダイレクターを務めた。「やろうと思っても、簡単にはできないことを実行しているのだから卓朗はすごい。水戸に若手を預ければ、成長できるという実績も積み上げるなど、同い年として私も大いに刺激を受けています」と感心する。
 
 西村の知恵と手腕にはうならされるばかりだが、この先、水戸をどう変えていくのか。

「J1昇格は常に掲げる目標で、うちが上がることで他チームの励みにもなると思う。28年度の竣工を目ざすサッカー専用競技場は、人材育成のための教育機関を併設した複合型スタジアムにする計画です」

 江戸時代、水戸藩の藩校だった弘道館は日本一の規模を誇る総合的な教育施設として、人材の育成に貢献したことで知られる。水戸のクラブ社是も育成。選手の頃から学ぶ意欲が旺盛で、引退後は育てることに勇往邁進してきた。「水戸」は西村にとって、功成り名遂げるには最高のクラブであり、無上の土地柄なのだ。

(文中敬称略)

取材・文●河野 正

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