【セリエA現地コラム】得点王争いを演じる「超サプライズ男」カリニッチとは!?

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2015年11月24日

注目すべきはオフ・ザ・ボールでの動き。

4-1で快勝したインテルとの大一番ではハットトリックを達成。決定力に加え、前線からのプレスと巧みなポジショニングが光った。(C)Alberto LINGRIA

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 P・ソウザが併用する3-4-2-1と4-2-3-1という2つのシステムでいずれも1トップを務め、組み立てからフィニッシュ、そして攻→守の切り替えまで、すべての局面においてチームのメカニズムの中で効果的に機能する。
 
 組み立てでは、裏のスペースを狙って敵の最終ラインを押し下げ、2列目のヨシプ・イリチッチやボルハ・バレロが2ライン(DFとMF)間でパスを引き出すスペースを作る動きと、自ら下がって縦パスを収め、コンビネーションに絡むプレーを効果的に使い分ける。
 
 プレーの流れを読む能力が高く、タイミングのいい動きでスペースに入り込み、あるいは裏に飛び出してクロスやラストパスを引き出しフィニッシュに持ち込む巧さは特筆モノだ。ここまでセリエAとELで奪った10得点のうち7つをワンタッチで決めているという事実が、優れたゴールセンスと戦術的インテリジェンスを物語る。
 
 さらに、守備の局面では最前線で積極的にプレッシングに走り回る献身性を備えている。インテルを敵地で4-1と粉砕した試合(セリエA6節)で、バックパスを処理しようとするGKサミール・ハンダノビッチに猛然とプレスをかけてPKになるファウルを誘ったプレーは象徴的だ。
 
 CFのポジションを争うクマ・ババカルと比べて、スピードやテクニックでは敵わない。しかし常に足を止めずにチームのメカニズムの中で的確に機能するうえ、その流れから生まれたチャンスを確実に決める得点力を備えており、総合的なパフォーマンスでははるかに上をいく。
 
 イグアインのようなスーパーエリートとは異なる、叩き上げならではの魅力を持ったカリニッチ。ボールに絡む時のプレーはもちろん、それ以上にオフ・ザ・ボールでのプレーで違いを創り出している点に注目したい。
 
 この勢いで活躍を続ければ、来夏には移籍マーケットの目玉商品になる可能性が十分あり得るだろう。
 
文:片野道郎
 
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。
 
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