【セリエA現地コラム】得点王争いを演じる「超サプライズ男」カリニッチとは!?

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2015年11月24日

プレミア挑戦は2年で7ゴールに終わる。

21歳の時にブラックバーンへ移籍。2シーズンでリーグ戦44試合に出場したものの、不本意な結果に終わった。(C)Getty Images

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 本格的なブレイクが27歳という「遅咲き」は、母国クロアチアではユース年代から将来を嘱望されるタレントだった。
 
 名門ハイドゥク・スプリトの下部組織で育ち、2005年のU-17欧州選手権では4ゴールを挙げて、クロアチアのベスト4進出に貢献した。
 
 19歳でトップチームに定着すると、2シーズンで53試合に出場して32得点・16アシストという結果を残す。その活躍が評価され、09年に移籍金700万ユーロ(約9億8000万円)で当時プレミアリーグのブラックバーンに引き抜かれた。
 
 しかし、イングランドでは壁にぶち当たる。2シーズンでわずか7ゴールに終わり、11年夏には移籍金600万ユーロ(約8億8000万円)でドニプロに「都落ち」となった。
 
 その後、ドニプロで4シーズン、コンスタントに出場機会を積み重ねながら能力を磨き、昨シーズンのELでやっとタレントを開花させたのだ。
 
 にもかかわらず今夏にビッグクラブから声が掛からなかったのは、ウクライナ・リーグでシーズン最多ゴールが「12」とそれほど目立った数字を残せず、トップリーグで通用するかどうか疑問を持たれたからだろう。
 
 しかしそんなカリニッチに目をつけ、トルコに去ったマリオ・ゴメスの後釜として強くクラブに獲得を求めたのが、今夏にフィオレンティーナの監督に就任したP・ソウザだった。
 
 ポゼッション志向を柱としつつも、「最後の30メートル」ではスピードに乗った縦への展開を重視し、さらに守備では前線からのハイプレスを基本に据えた戦術コンセプトを採用する指揮官にとって、カリニッチはまさに打ってつけのCFだったのだ。
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