【ブンデス現地コラム】「宇佐美に関心を寄せるシュツットガルトとはどんなチームか?」

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2015年11月20日

十分なタレントを抱えながら、チームとしての機能性はいまひとつ。

ツォルニガー新監督を迎えたシュツットガルトだが、12節終了時点で16位と下位に低迷する。(C)Getty Images

画像を見る

 シュツットガルトは過去にブンデスリーガを5度、DFBカップを3度制した名門だ。だが、リーグ優勝を成し遂げた2006-07シーズンを最後にタイトルから遠ざかり、ここ数年は下位に低迷。今シーズンも12節終了時点で16位に沈んでいる。
 
 人材が不足しているわけではない。マルティン・ハルニク(オーストリア)、セレイ・ディエ(コートジボワール)、フィリップ・コスティッチ(セルビア)といった各国の代表クラスを揃え、ドイツU-21代表で活躍するティモ・ヴェルナーといった将来有望な若手も台頭してきている。
 
 十分なタレントを抱えながら、チームとしての機能性はいまひとつ――。それが近年このクラブが抱えている悩みだ。
 
 それだけに今年7月に就任したアレクサンダー・ツォルニガー監督に寄せられる期待は大きかった。ブンデスリーガ1部での指導歴はないものの、当時4部のRBライプツィヒを2年で2部に引き上げた手腕を首脳陣は高く評価。チームに新たな規律と戦術を植え付け、欧州カップ戦圏内へ導くという一大プロジェクトを託した。
 
 新監督にツォルニガーを選んだフロントの決断は、的外れではなかった。今シーズンは開幕5連敗と大きく躓いたものの、シュツットガルトが見せているプレーそのものは非常に魅力的だ。ロングボール一辺倒の大味なスタイルと決別し、意図のあるビルドアップから素早いパスワークで違いを生み出す高品質のサッカーを披露している。
 
 6節のハノーファー戦で初白星を挙げて上昇気流に乗るかと思われたが、以降の6試合では2勝2分け2敗とどこか波に乗り切れない。痛かったのは主砲ダニエル・ギンチェクの負傷離脱で、ゴール前での迫力不足を補おうと攻撃に人数をかけた結果、守備が疎かになるという悪循環に陥った。
 
 象徴的だったのは、10節のレバークーゼン戦だ。一時は3-1でリードしながら、終盤に立て続けに失点を喫して3-4でよもやの逆転負け。「この10試合で23失点だ。何とかしなければ、他のチームに太刀打ちできない」とMFダニエル・ディダビはそう警鐘を鳴らした。12節のバイエルン戦でも0-4の大敗。崩壊したディフェンス陣の再建が急務となっている。
 
【関連記事】
直撃!ワールドサッカーダイジェスト編集部「16年夏、クリスチアーノ・ロナウド移籍で欧州クラブシーンが大きく変わる!!」
【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』 其の四十五「日本の総力」
【バイエルン番記者】どうなる!? グアルディオラ監督との契約延長交渉
【移籍マーケット最新事情】宇佐美が欧州再挑戦? 複数のドイツクラブが調査中
イタリア行きに苦労するもついにアッズーリとメガクラブへ。エデルの「知られざる波乱万丈伝」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 総力特集!
    6月8日発売
    J1&J2全40クラブ
    前半戦 通信簿
    全1383選手を完全査定
    日本代表特集も満載
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト いよいよ市場オープンへ!
    6月1日発売
    2023 SUMMER TRANSFER
    夏の移籍
    「完全ガイド」
    決戦目前! CL決勝展望も
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.38
    1月13日発売
    岡山学芸館が初優勝!
    第101回高校選手権
    決戦速報号
    全47試合を完全詳報
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ