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【サッカーダイジェストの視点】イラン戦後半の攻勢は当然の流れ。むしろ機能不全な前半の出来に悩みは深まった

カテゴリ:日本代表

五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

2015年10月14日

11月に再び相手を殴り続ける試合をやっても、効果的な強化にはつながらない。

相手のペースが落ちた後半は、立ち上がりからスペースを突いてチャンスを作り出したが、追加点は奪えず。きっちりと決めきるしたたかさにも欠けていた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 翻って、武藤の同点弾で勢い付いた後半は、狙いとする縦への早い攻撃で多くのチャンスを作った。58分に武藤がGKとの1対1を迎えたシーンなどは、まさに日本代表が目指す類の攻撃で、「やろうとしていた形になりかけていた部分があった」と本田が言うのもうなずける。
 
 とはいえ、ここで考慮すべきなのは、「やっぱり相手が疲れてきて、後ろのスペースが空いてきた」(武藤)という点だ。前半からアグレッシブにプレスに来たイランは、後半に入ると明らかに運動量が落ちた。中盤はコンパクトという言葉からは程遠く、攻め終わった後の切り替えも極端に遅れる。なおかつ、日本は次々と前線にフレッシュな選手を投入して運動量を保ったのだから、良い形でカウンターを繰り出せたのは、ある意味で当然だった。
 
 個々に目を向ければ、精度の高いパスでウイングを走らせた柏木やCFやウイングと適正な距離を保ってタメを作った清武のパフォーマンス、A代表デビューを果たした南野が雰囲気を肌で感じられたというプラス要素はあったものの、チーム戦術に上積みがあったかと聞かれれば「イエス」とは答えられない。
 
 むしろ、後半に追加点を取れなかったほうが問題で、「フィジカルの強い相手に対してどうやって攻撃を組み立てていくのか」(香川)という課題が噴出した前半と併せて悩みが深まった印象だ。
 
 日本代表は今後、11月にワールドカップ2次予選のシンガポール戦とカンボジア戦を戦う。圧倒的な格下の2チームは、おそらく前回対戦と同じように、引いて守りを固めてくるだろう。つまり、今回のイラン戦で噴出した課題を修正する試合にはならないということだ。
 
 アジアというカテゴリーに所属する宿命とはいえ、まったく攻撃に怖さがないシンガポールやカンボジアを殴り続ける試合を続けたところで、日本代表の強化にはつながらない。このままチームが明確な形を見いだせないまま、最終予選に進んでしまわないかと不安ばかりが募る。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェストWeb)
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