エスパルスの現状は悔しいが、たとえ降格しても慌てる必要はない。
そして「エスパルスの状況はどう思う?」と問われれば、僕が感じていることは素直に「悔しい」という気持ちだ。この「悔しさ」は監督、コーチングスタッフ、選手、すべてのクラブ関係者、サポーター・ファンとは異なった「悔しい」かもしれないが、想いは一緒だろう。
ただ「オリジナル10」である清水がJリーグ元年から走り続け、23シーズン降格なしで前進し続けて来たことは誰も否定できず、正直、感謝の氣持ちでいっぱいである。
内部に何が起こっているかは知らない。誰の責任なのか? そんなことは外には関係ないし分からない。清水というクラブから離れた立場である以上、僕も一サポーターであり静岡で生まれた同じ郷土の一市民である。
その一サポーターがクラブを批判し、否定しても良いことはない。批判したとしても、解決することはないだろう。
23年間、よく走ってくれた「ありがとう」という氣持ちで残り試合、可能性がある限り信じなければいけない。サッカーも人生と一緒だと言う。人生は山登りと似ていると言われるが、やはり同じように思う。焦って、慌てて登れば危険極まりない。
むやみにスピードを上げ、ショートカットで近道を探せば余計、休まなければならなくなる。酸欠状態になって下山することになり、また元の場所まで戻らなければならない。そして最悪の場合は遭難もあり得る。
山を登るにはしっかりした準備で、じっくり時間をかけて登るべきなのだ。監督の目指すチーム作りもまったく山登りと一緒のことだと思う。目標に向かっていく上で大事なことなのだ。僕もまた山をしっかり登るような監督の仕事をしたいと思う。
エスパルスが苦しい状況の中で、もし今回、最悪のシナリオになったとしても、ネガティブな面ばかりではない。何故か? 親しい知人がこんなことを言っていた。
「現在、Jリーグクラブで一番、日本で価値の高いクラブは何処か?」
これまでは浦和レッズだったらしいが、現在は「ガンバ大阪」だという。理由は単純に昨年三冠を獲ったからではないのだそうだ。
それは“J2へ落ちた”からこそ意味があるという。さらに付け加えると、J2に降格した後、三冠を獲ったことが、その値打ちをより上げたというのだ。J2で各地方を回ってアウェー戦を戦い、地方の人たちがガンバ大阪を知り、ガンバ大阪と接することによって、その翌年の結果に対して、クラブの価値が上がったという。これはデータ証明されていると言うのだ。
リーグ終盤、まだなにが起きるかは分からない。ただ言えることは清水エスパルスは「まだ」23年の間でしか存在しないプロクラブなのである。この後、息子、孫、曾孫、もっと先まで愛されるクラブとして存在することを考えられれば、焦る必要もない。
大きなクラブに成長するために、ここからが本当の意味でのスタートと考えるべきだ。急ぎ過ぎて、目の前の結果を氣にし過ぎる余り遭難への選択を強いられるはめになってはいけない。残念だが、そんなクラブが多いような氣がする。じっくり登るべきだと思う。これは答えではなく、僕の感じ方であり直感だ……。
まずは帰国して感じたことを素直に書いてみた。これからの日本は、感じたことを即実行に移すことや、人の感じ方を大事にする時だと少し感じている。
組織とともに、人の心を大切にし、直感と人の感じ方をより尊重する傾向が強くなれば、もう日本は誰にも止められないだろう。
日本に戻って来て数日、僕の戦いもすでに始まっていると感じている。
2015年10月5日
三浦泰年
ただ「オリジナル10」である清水がJリーグ元年から走り続け、23シーズン降格なしで前進し続けて来たことは誰も否定できず、正直、感謝の氣持ちでいっぱいである。
内部に何が起こっているかは知らない。誰の責任なのか? そんなことは外には関係ないし分からない。清水というクラブから離れた立場である以上、僕も一サポーターであり静岡で生まれた同じ郷土の一市民である。
その一サポーターがクラブを批判し、否定しても良いことはない。批判したとしても、解決することはないだろう。
23年間、よく走ってくれた「ありがとう」という氣持ちで残り試合、可能性がある限り信じなければいけない。サッカーも人生と一緒だと言う。人生は山登りと似ていると言われるが、やはり同じように思う。焦って、慌てて登れば危険極まりない。
むやみにスピードを上げ、ショートカットで近道を探せば余計、休まなければならなくなる。酸欠状態になって下山することになり、また元の場所まで戻らなければならない。そして最悪の場合は遭難もあり得る。
山を登るにはしっかりした準備で、じっくり時間をかけて登るべきなのだ。監督の目指すチーム作りもまったく山登りと一緒のことだと思う。目標に向かっていく上で大事なことなのだ。僕もまた山をしっかり登るような監督の仕事をしたいと思う。
エスパルスが苦しい状況の中で、もし今回、最悪のシナリオになったとしても、ネガティブな面ばかりではない。何故か? 親しい知人がこんなことを言っていた。
「現在、Jリーグクラブで一番、日本で価値の高いクラブは何処か?」
これまでは浦和レッズだったらしいが、現在は「ガンバ大阪」だという。理由は単純に昨年三冠を獲ったからではないのだそうだ。
それは“J2へ落ちた”からこそ意味があるという。さらに付け加えると、J2に降格した後、三冠を獲ったことが、その値打ちをより上げたというのだ。J2で各地方を回ってアウェー戦を戦い、地方の人たちがガンバ大阪を知り、ガンバ大阪と接することによって、その翌年の結果に対して、クラブの価値が上がったという。これはデータ証明されていると言うのだ。
リーグ終盤、まだなにが起きるかは分からない。ただ言えることは清水エスパルスは「まだ」23年の間でしか存在しないプロクラブなのである。この後、息子、孫、曾孫、もっと先まで愛されるクラブとして存在することを考えられれば、焦る必要もない。
大きなクラブに成長するために、ここからが本当の意味でのスタートと考えるべきだ。急ぎ過ぎて、目の前の結果を氣にし過ぎる余り遭難への選択を強いられるはめになってはいけない。残念だが、そんなクラブが多いような氣がする。じっくり登るべきだと思う。これは答えではなく、僕の感じ方であり直感だ……。
まずは帰国して感じたことを素直に書いてみた。これからの日本は、感じたことを即実行に移すことや、人の感じ方を大事にする時だと少し感じている。
組織とともに、人の心を大切にし、直感と人の感じ方をより尊重する傾向が強くなれば、もう日本は誰にも止められないだろう。
日本に戻って来て数日、僕の戦いもすでに始まっていると感じている。
2015年10月5日
三浦泰年