【岩本輝雄の視点】“3秒で勝点3を稼ぐ男”俊輔は、直接FKのようにクロスを蹴る

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2015年09月21日

太田の能力を最大限に引き出せる環境と戦略があれば…。

横浜戦は不完全燃焼に終わった太田。実力があるのは間違いないから、今後の活躍に期待したい。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 形としては流れのなかでのクロスだったけど、FKを蹴る感覚に近かったんじゃないかな。実際、俊輔は今季、G大阪戦と浦和戦で2発決めていて、FKの練習もかなりこなしているのだろうけど、キッカーからすれば、それはそのままクロスのトレーニングになる。
 
 上から落とすとか、横から巻くとか、いろんなことを考えながら、自分は週2回、70~80本ぐらいFKの練習をしていた。その積み重ねがクロスの場面でも活きてくる。狙いとする場所に向かっていく放物線をイメージできれば、あとは微調整するだけ。
 
 得点場面では、エリア内にふたりのDFがいたとはいえ、FKに比べれば“スカスカ”。その意味ではイージーなアシストだったかもしれない。
 
 怪我明けから2か月ぐらいが過ぎて、ちょうど身体もキレを取り戻してくる時期だと思う。ボールとの相性も良さそうだし、俊輔のハイパフォーマンスはまだまだ続きそうな予感がする。
 
 最後に、俊輔とともに注目していた太田についても触れておきたい。この試合では、チーム全体がやや引き気味に構えていたこともあり、思うようにオーバーラップを仕掛けられず、本人も不完全燃焼だったのではないだろうか。
 
 そうしたなかでも、いくつか可能性を感じさせる鋭いクロスを供給していたけど、ゴールには結びつけられなかった。そもそも、チームとして後方からの攻め上がりを促すようなタメを作れていなかったし、太田を活かす環境が整っていなかったのは、彼にとってアンラッキーだった。
 
 それでも一発で仕留める勝負強さが欲しかったけど、太田の能力を最大限に引き出せる戦略があれば、自慢の左足でサポーターに歓喜をもたらす可能性は広がっていくと思う。それだけの実力者であるのは間違いないから、今後の活躍に期待したい。
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