【広島】2戦連続でノーゴール。それでも佐藤寿人が大記録達成を確信するワケ

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年09月20日

「10回動いて1回、2回パスがくればいいな、くらいの気持ちでやっている」(佐藤)

スペースがないなかでも、最終ラインと駆け引きしてチャンスを窺ったが……。山形戦、鳥栖戦と2試合連続ノーゴールに終わり、記録達成はお預けとなった。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 62分を過ぎた頃、佐藤寿人は一瞬ピッチサイドに目をやった。スコアは0-0。テクニカルエリアと自軍ベンチを何度か行き来する森保監督を見て、自分の交代時間が近いことを察したに違いない。そして71分、横内コーチから綿密な指示を受けた浅野拓磨がサイドラインに姿を現わすと、応援に駆け付けた地元サポーターから大きな拍手が送られるなか、エースはノーゴールのまま後輩にあとを託した。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・11節

 J1通算最多得点にリーチをかけて挑んだ前節の山形戦、相手のハイプレスに苦しめられ、シュート1本に封じられた。この日も、同様に素早いプレッシャーをかけられ、3バックと両WBの5枚で守備ブロックを作る鳥栖に、チャンスどころかスペースさえも与えてもらえなかった。

 佐藤のファーストプレーは1タッチで捌いた10分のポストプレーで、1試合を通しても片手をわずかに超えるほどのプレー回数しか訪れず。放ったシュート2本もジャストミートできなかった。

「10回動いて1回、2回パスがくればいいな、くらいの気持ちでやっています」

 鳥栖戦に限らず、マークが厳しい状況下では、いかに相手が嫌がるスペースでボールを受けられるかがポイントになる。そこにパスが来ればチャンスにつなげられる可能性は高まり、その確率が上がるほど膠着したゲームを動かせる。それだけに、「我慢比べ」(佐藤)の様相を呈した相手との駆け引きをひたすら続けた。だが、失点回避にプライオリティを置き、引き分けでもOKとする鳥栖の守備をこじ開けることはできなかった。

「相手が勝点1でいいと割り切ってくる試合ほど、サッカーにおいて難しいものはありません。本来、終盤はお互いにスペースが生まれて、ゴール前を行き来するシーンが多いけど、今日に限ってはそういったことが少なくて、それだけ鳥栖がゴール前を固めていた証だと思います。全部が全部、自分が(シュートを)打てるとは限らないとはいえ、前半のうちにスコアを動かしていく必要があった」

ペナルティエリア付近で倒される場面もあったがノーファウル。57分に体勢を崩しながら狙ったループ気味のシュートもネットを揺らすには至らなかった。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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