【藤田俊哉の目】最大の問題は決定力不足ではなく、海外組を脅かす存在がいないこと

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2015年09月04日

5年も本田を脅かす存在が出てきていないのは問題だ。

Jリーグでもなかなかゴールが生まれない宇佐美は、カンボジア戦でも不発に終わった。藤田氏は、宇佐美のような選手こそが本田を脅かさなくてはならないと語る。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 欲を言えば、その本田を押しのけようとする選手がなかなか出てこないのが寂しいよね。本田が中村俊輔からエースの座を奪ったのが2010年のことだから、もう5年も本田を脅かす存在が出てきていない。3年後のワールドカップも本田が不動の存在になっているのだとしたら……。
 
 やはり才能を考えれば、本来その地位を奪わなければいけないのは宇佐美だろう。でもその宇佐美が、7月以降公式戦でゴールを奪えず、今回のカンボジア戦でもベンチスタートだったのは、日本サッカー界の進歩という点で考えれば、非常に残念なことだった。
 
 本田をはじめとした海外組のプレーを見ても、まったく「焦り」は見られなかったよね? それは裏返せば、レギュラーポジションを脅かすほどの選手が台頭していないことを意味している。
 
 日本代表に戻ってきたら、ポジションはあるのだろうか――。
 この試合でゴールを奪わなければ次はないかもしれない――。
 
 そんな不安を抱えながら海外組がプレーするようになったら、日本代表に本物の「競争力」が生まれてくるんじゃないかな。
 
 そういった意味では、返す返すも東アジアカップの結果が残念でたまらない。あの大会で国内組と呼ばれる選手たちがしっかり結果を残していれば、彼ら自身も自信を持てたはずだし、カンボジア戦のスタメンにもおそらくもっと国内組の選手が名を連ねていたはずだろう。
 
 9月8日のアフガニスタン戦も、おそらく日本のワンサイドゲームで勝利するはずだけど、アウェーゲームは良い面だけでなく、悪い面も含めて選手の“質”がはっきりと映し出される。そうしたなかで、海外組にプレッシャーを与えるほどのインパクトを残せる選手は出てくるのか。
 
 それがアフガニスタン戦の最大の“焦点”だろう。
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