新戦力の台頭が、数少ないポジティブな要素。
攻撃陣に目を向ければ、3分の武藤のゴールで勢いに乗った前半は、チームとして機能していた。トップ下の武藤が広範囲に動いてウイングをサポートし、タメを作ってボランチやSBの攻撃参加を促す。
23分には山口からの縦パスに永井と武藤が絡み、最後は川又がフィニッシュ。43分にも左サイドでの武藤のキープから宇佐美につなぎ、永井の決定機につなげている。いずれも決定的なチャンスで、この2点が決まっていれば「試合はその時点で終わらせられた」(西川)かもしれない。要は形を作りながら、「決めるべきところで決められなかった」(山口)のだ。
スタミナが切れた後半の内容は論外だが、少なくとも体力がある前半にいわゆる“サブ組”でも決定機を作れたのは、数少ない好材料かもしれない。なかでも、不慣れなトップ下を任されながら、1ゴールと結果を出した武藤はアピールに成功したと言えそうだ。
この浦和のアタッカーは、左ウイングに移った後半にも、縦へのドリブル突破からクロスを供給するなど打開力を見せている。こうしたプレーの幅を考えれば、いまひとつ力を発揮できなかった永井を序列で上回ったとの見方もできるだろう。
アピールで言えば、右SBでフル出場した遠藤にも触れなければならない。今回のチーム最年少DFは、A代表デビューという緊張の舞台にも動じなかった。
武藤の先制点をアシストしたクロスだけでなく、本職の守備面でも局面での1対1に粘り強く対応し、ミスと言えるミスは皆無。本人も「最低限、1対1で負けないところだったり、クロスを上げさせないところは意識していたので、そういうところはできたと思います」と手応えを得たようだ。また、「攻撃参加はまだ物足りないかな」と次のテーマも見据えており、代表定着へ向けた好スタートを切った印象だ。
ハリルホジッチ体制の初陣から名を連ねる川又や永井、森重といった面々のパフォーマンスは軒並み及第点に届かなかったが、一方で初招集の武藤や遠藤が戦力として台頭したのは明るい材料だ。欧州組不在で挑んだ今大会の本質である“サバイバル”を活性化する意味で、今は彼らの活躍をポジティブに受け止めたい。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
23分には山口からの縦パスに永井と武藤が絡み、最後は川又がフィニッシュ。43分にも左サイドでの武藤のキープから宇佐美につなぎ、永井の決定機につなげている。いずれも決定的なチャンスで、この2点が決まっていれば「試合はその時点で終わらせられた」(西川)かもしれない。要は形を作りながら、「決めるべきところで決められなかった」(山口)のだ。
スタミナが切れた後半の内容は論外だが、少なくとも体力がある前半にいわゆる“サブ組”でも決定機を作れたのは、数少ない好材料かもしれない。なかでも、不慣れなトップ下を任されながら、1ゴールと結果を出した武藤はアピールに成功したと言えそうだ。
この浦和のアタッカーは、左ウイングに移った後半にも、縦へのドリブル突破からクロスを供給するなど打開力を見せている。こうしたプレーの幅を考えれば、いまひとつ力を発揮できなかった永井を序列で上回ったとの見方もできるだろう。
アピールで言えば、右SBでフル出場した遠藤にも触れなければならない。今回のチーム最年少DFは、A代表デビューという緊張の舞台にも動じなかった。
武藤の先制点をアシストしたクロスだけでなく、本職の守備面でも局面での1対1に粘り強く対応し、ミスと言えるミスは皆無。本人も「最低限、1対1で負けないところだったり、クロスを上げさせないところは意識していたので、そういうところはできたと思います」と手応えを得たようだ。また、「攻撃参加はまだ物足りないかな」と次のテーマも見据えており、代表定着へ向けた好スタートを切った印象だ。
ハリルホジッチ体制の初陣から名を連ねる川又や永井、森重といった面々のパフォーマンスは軒並み及第点に届かなかったが、一方で初招集の武藤や遠藤が戦力として台頭したのは明るい材料だ。欧州組不在で挑んだ今大会の本質である“サバイバル”を活性化する意味で、今は彼らの活躍をポジティブに受け止めたい。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)