「戦術・伊東」に依存するだけでなく…
一方で、リスタートもより一層の工夫を凝らす必要がある。年明けから菅原大介セットプレー担当コーチが加わったこともあり、中国戦ではデザインされたリスタートは確かに増えた。開始20分に伊東のマイナスのボールに南野が飛び込んでフリーで右足シュートを打ったシーンなどは、2021年までは見られなかった形。相手の弱点を見極めたうえで、細部を研ぎ澄ませていくことで、サウジ守備陣のマークをかいくぐる確率は上がる。
思い起こせば、アジアカップの決勝点も、柴崎岳(レガネス)の左CKに冨安健洋(アーセナル)がニアサイドに飛び込んで頭で合わせた形だった。その虎の子の1点を守り切ったわけだが、どんな形でもいいから得点を奪い切って勝つことが全てだ。
FKの名手・久保、W杯への飢えを前面に押し出すロシアW杯16強戦士・原口元気(ウニオン・ベルリン)ら持てる駒も効果的に使い、布陣変更なども視野に入れながら、大一番に勝利すること。それこそが、指揮官に託されるタスクだ。「戦術・伊東」に依存しているだけでは、カタールへの道を確実に切り開けるとは言い切れない。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
FKの名手・久保、W杯への飢えを前面に押し出すロシアW杯16強戦士・原口元気(ウニオン・ベルリン)ら持てる駒も効果的に使い、布陣変更なども視野に入れながら、大一番に勝利すること。それこそが、指揮官に託されるタスクだ。「戦術・伊東」に依存しているだけでは、カタールへの道を確実に切り開けるとは言い切れない。
取材・文●元川悦子(フリーライター)