新潟の一サッカー少年が故郷を離れて単身佐賀へ赴いた理由と、Jリーガーとして帰郷を選択するまでの紆余曲折

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2021年09月27日

高校1年次には自らの意思でフランスへ短期留学「遠慮という言葉は存在しなかった」

今夏のインターハイでは1回戦で流経大柏に敗れたが、集大成となる選手権では過去に超えられなかった4強の壁に挑む。写真:安藤隆人

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 そして高1の1月に彼は突然、フランスに3週間のサッカー留学をした。これも彼の意思で、両親の協力もあって、自分で留学の仲介先を探し、蒲原監督の許可を得て、パリの4部に所属するクラブのU-19チームの練習に参加をしたのだった。
 
 これも高1の選手権予選で敗れた時に、「自分に足りないものはメンタル的な部分。将来、プロを考えたら、自分を出せない選手は厳しいと感じたので、海外に飛び込んで逃げも隠れもできない環境で自分を鍛え直したかった」と、感じたことをすぐに行動に移したものであった。

 県の新人戦の最中での留学を許した蒲原監督も凄いが、高1でこの決断と行動ができるだけでも彼の意志の強さと向上心が十分に伝わるだろう。

「フランスではもう『俺が、俺が』の世界で遠慮という言葉は存在しなかった。自分が心から求めていた環境がそこにあったので、3週間言葉が分からない分、ジェスチャーなどでコミュニケーションをとりながら、必死でサッカーに打ち込むことができました。プレー面でも向こうの選手は足が長かったり、フィジカルレベルが高くて、自分がボールをキープしようとしても奪われたり、体勢を崩されたりと自分のプレーを出すことに苦労しました。でも、そこで自分なりに考えてボールの置き所や身体の向きなどを工夫したら、帰国後は自分の思うようなプレーがよりできるようになりました」

 まさに自分の手で成長を掴み取ったことで、大きな自信が芽生えた。不動のエースとなった高2では選手権に出場。蒲原監督が監督を務めた日本高校選抜にも選ばれると、今年3月のデンソーチャレンジカップ熊谷大会では、格上の大学生を相手にも一切怖気付くことなく、左サイドハーフとして切れ味鋭いドリブルとスルーパス、強烈なシュートを駆使して大きく躍動をした。

 ここでの活躍が認められ、アルビレックス新潟とサガン鳥栖から練習参加の打診が届いた。4月に2クラブの練習に参加をすると、新潟が真っ先に熱烈なラブコールを送ってくれた。鳥栖からは具体的なオファーは届かなかったが、J1でプレーしたいという気持ちもあり、すぐに回答はできなかった。実際に他のクラブも動くかもしれないという話も出ていた(J2の1つのクラブからは正式にオファーがきた)が、それでも熱意を持って試合会場まで足を運んでくれる新潟の本間勲スカウトの姿勢に、彼の心は徐々に地元のクラブへと傾いていった。

「実家がビッグスワンから自転車で行ける距離にあって、小学生の時からビッグスワンにアルビの試合を観に行っていました。生まれた時から身近にあったクラブで、憧れを持って見ていたクラブなので、だんだん『アルビのユニホームを着て、ビッグスワンに立ちたい』と思うようになったんです。本間さんの熱意にも応えたいと思ったし、地元で活躍する姿をお世話になった人たちに見せたいと強く思うようになった」
 
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