条項を破るような行動をしても、ボーナスはなくなるどころか増額に…
ネイマールは、加入以来この条項を破るような行動を数多くしてきている。エディンソン・カバーニと喧嘩をし、サポーターを殴り、レオナルドを批判し…決して道徳的といえるものではない。礼儀正しく振る舞うというのはほぼ名目にしかすぎないのだから、違反があってもなんだかんだでボーナスは支払われ続けたのではないかと私は見ている。
その証拠にこの5月、ネイマールが2025年まで契約を延長した際、この道徳ボーナスも更新されたばかりか、金額が上がっている。それまでは月30万ユーロ(約4000万円)だった額が、54万ユーロ(約7000万円)に増額したのだ。サポーターに手を振り、品行方正にしているだけで、彼は年間約600万ユーロ(約7億5000万円)をポケットに入れられるのだ。
ネイマールの数々の違反にパリSGはボーナスを廃止するどころか、値段を上げるという対処をした。その理由は、ネイマールが契約を更新した5月というタイミングにある。この時期、狙っていたリオネル・メッシはバルセロナ残留が濃厚で、キリアン・エムバペはチームを出て行きたがっていた。
もしネイマールまで失ってしまっては、オーナーであるカタール王族の沽券に関わる。彼らは年俸以外の“お小遣い”を増やしてネイマールを引き留めたのだ。
【PHOTO】メッシ、ネイマール、エムバペ…!”新・銀河系軍団”パリ・サンジェルマンの選手を一挙紹介!
その証拠にこの5月、ネイマールが2025年まで契約を延長した際、この道徳ボーナスも更新されたばかりか、金額が上がっている。それまでは月30万ユーロ(約4000万円)だった額が、54万ユーロ(約7000万円)に増額したのだ。サポーターに手を振り、品行方正にしているだけで、彼は年間約600万ユーロ(約7億5000万円)をポケットに入れられるのだ。
ネイマールの数々の違反にパリSGはボーナスを廃止するどころか、値段を上げるという対処をした。その理由は、ネイマールが契約を更新した5月というタイミングにある。この時期、狙っていたリオネル・メッシはバルセロナ残留が濃厚で、キリアン・エムバペはチームを出て行きたがっていた。
もしネイマールまで失ってしまっては、オーナーであるカタール王族の沽券に関わる。彼らは年俸以外の“お小遣い”を増やしてネイマールを引き留めたのだ。
【PHOTO】メッシ、ネイマール、エムバペ…!”新・銀河系軍団”パリ・サンジェルマンの選手を一挙紹介!
ただここに来て、状況は大きく変わってきた。メッシがパリにやって来たからだ。ネイマールはもうチーム最高のスターではないし、チーム一番の高給取りでもない。メッシの到来にパリは動きを止め、町中が驚喜し、背番号30のユニホームは、ネイマールのそれの2倍以上の売れ行きだ。
サポーターもメディアも、今はメッシしか目に入らない。クラブはこれまでほどネイマールをちやほやする必要がなくなった。もしこのタイミングで契約を更新していたならば、その内容は大きく違っていただろう。
これまでいろいろ大目に見られてきた彼だが、今度この条項を違反したら、ボーナスは本当に支払われなくなるかもしれない。メッシの到来で、道徳ボーナスは初めてその効力を発揮するかもしれないのだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
サポーターもメディアも、今はメッシしか目に入らない。クラブはこれまでほどネイマールをちやほやする必要がなくなった。もしこのタイミングで契約を更新していたならば、その内容は大きく違っていただろう。
これまでいろいろ大目に見られてきた彼だが、今度この条項を違反したら、ボーナスは本当に支払われなくなるかもしれない。メッシの到来で、道徳ボーナスは初めてその効力を発揮するかもしれないのだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。