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【バイタルエリアの仕事人】Vol.8 仙頭啓矢|好調鳥栖を牽引! 生粋のアタッカーがボランチ転向で見えた景色

カテゴリ:特集

長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

2021年08月30日

バイタルエリアを攻略する方法をイメージしながらプレーするのは、すごく面白い

鳥栖ではボランチとして新境地を開拓。攻撃的なポジションでプレーしていた経験も生きているという。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 前述したように仙頭は今季からボランチというポジションに挑戦している。元来は攻撃的なセンスを武器に、ゴールを演出するアタッカーだが、「相手を翻弄するプレーが好き」という44番は、ポジショナルプレーをベースとするチームの中で、どう自分を「バイタルエリア」で生かそうとしているのか。

――◆――◆――

 僕はこのチームに来てからボランチというポジションをやっていますが、そのなかでもバイタルエリアは攻守両面において重要な場所という認識です。攻撃においてはそこから得点をどう演出するかという面白いエリアでありますし、逆にそこでボールを失ってしまうと、カウンターを食らうなど守備においてもリスクのある場所です。そこをどうやってバランスを取りながら攻略していくか、すごく考えますし、バイタルエリアでどうスペースをつくり出すかということが、現代サッカーでの重要なテーマになっています。

 ピッチ全体を後ろから見上げていく中で、最終的にこのエリアを攻略する方法をイメージしながらプレーするのは、すごく面白い。バイタルエリアでボールを受けた選手はいろいろアイデアが必要だし、そこでボールを受けた時がサッカーにおいて一番の腕の見せ所だったり、ボールを持っている選手の面白さ。バイタルエリアという場所はサッカーにおいて非常に重要かつサッカーの魅力がいっぱい詰まっているところですね。

 これまでは得点やアシストを求められて前で仕事をする選手で、現在のように低い位置でボールを受けてさばくといった作業はあまりやってきませんでした。ただ、自分としてもいろんなポジションができるのは、選手として幅が広がるし、すごく考えながらやるポジションなので、やりがいを感じています。

 攻撃的なポジションでは最後の決め手となるパスを出すことが多かったですが、今はボールを失ってはいけないポジションだし、そこでパスとトラップの正確性だったりとか、質だったりというのがすごく求められる。ただ、だからといって安パイなプレーばかりしていても怖さはない。いかに自分のところでターンして前に展開していけるか、味方にパスを出すにしてもメッセージを込めたパスを出せるか。すごく細かいところにこだわることが大事なポジションだと思うし、自分としては技術に関して、小さい頃からこだわってきた部分もあるので、非常に生かしどころがあって楽しさもあります。

 もちろん、前のポジションをやっていた経験も生きていますね。トップ下をやっていた頃はボランチの選手が後ろばかり向いていたり、バックパスばかりしていたら、やはりパスを要求していました。そこでいかにくさびのパスを出せるか、自分のところでパスを受けてターンして前の選手に縦パスを繋げるか、それで展開はすごく変わってくるし、そこで前のポジションの選手が欲しいタイミングも、自分がやっていたからこそ分かる部分もあります。

 ゴールへの想いですか? 本音を言えば、もうそこは取れるだけ取りたい(笑)。やっぱりゴールを取るのは好きだし、その喜びはすごい自分の中では分かっているので。ただそればかりになってしまうと前掛かりになって攻守のバランスを崩してしまう。自分がエゴを出しすぎるのが望ましいポジションではないので、ゴールはしたたかに狙いつつ、やっぱりチームのために味方のために、という風に今は考えてプレーしています。
 
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