ハリルホジッチ監督の工夫と勇気も試される一戦に。
同じ中盤では柴崎のゲームメイクも見物だ。タイミングを心得た彼の縦パスは、ハリルホジッチ監督が標榜する素早い攻撃を繰り出すうえで不可欠。そんな柴崎が気持ち良くプレーできるかは、守備的な役割を担うだろう長谷部のパフォーマンスもひとつのキーになる。
柴崎以外では、左ウイングの宇佐美とCBの槙野が国内組で先発しそうだ。おそらくシンガポール戦も、イラク戦と同じく“欧州組偏重”のオーダーになるだろう。
ハリルホジッチ監督は「私にはベストメンバーはいません。どのポジションでも、どの選手でも自分の席を取るために戦わなければいけない」と話す一方で、こんなコメントもしている。
「(8月に)中国で東アジアカップがありますけども、もっと国内組を起用して確かな情報を得たいと思っています。今のところは海外組が(代表チームの)大半を占めています。確かに彼らは、国内組に比べて少しレベルが上かもしれません。タクティクス面、それから特にフィジカル面ですね」。
指揮官の言葉からは、競争意識を煽りたいが、国内組にはまだ確固たる信頼を置いていないというニュアンスのメッセージも感じ取れる。イラク戦で出来がそこまで良くなかった右SBの酒井宏、GKの川島をシンガポール戦でも先発起用すれば、プライオリティを置いているのはやはり欧州組ということになる。
だが逆に、長友を右SBに回して、左SBにFC東京で絶好調の太田を抜擢、もしくはスタンダールでサブに甘んじていた川島を外してJリーグ勢(権田、西川、東口)の誰かにチャンスを与えれば、「競争意識を煽る」がリップサービスではないことが証明される。
なにより結果が求められるワールドカップ予選の舞台で、ハリルホジッチ監督はどんな回答(スターティングオーダー)を見せてくれるのだろうか。欧州組に頼って勝つのは当たり前。そうした状況下で宇佐美、柴崎、槙野以外の国内組をどう上手く使うか。シンガポール戦では、指揮官の工夫と勇気も試される。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
柴崎以外では、左ウイングの宇佐美とCBの槙野が国内組で先発しそうだ。おそらくシンガポール戦も、イラク戦と同じく“欧州組偏重”のオーダーになるだろう。
ハリルホジッチ監督は「私にはベストメンバーはいません。どのポジションでも、どの選手でも自分の席を取るために戦わなければいけない」と話す一方で、こんなコメントもしている。
「(8月に)中国で東アジアカップがありますけども、もっと国内組を起用して確かな情報を得たいと思っています。今のところは海外組が(代表チームの)大半を占めています。確かに彼らは、国内組に比べて少しレベルが上かもしれません。タクティクス面、それから特にフィジカル面ですね」。
指揮官の言葉からは、競争意識を煽りたいが、国内組にはまだ確固たる信頼を置いていないというニュアンスのメッセージも感じ取れる。イラク戦で出来がそこまで良くなかった右SBの酒井宏、GKの川島をシンガポール戦でも先発起用すれば、プライオリティを置いているのはやはり欧州組ということになる。
だが逆に、長友を右SBに回して、左SBにFC東京で絶好調の太田を抜擢、もしくはスタンダールでサブに甘んじていた川島を外してJリーグ勢(権田、西川、東口)の誰かにチャンスを与えれば、「競争意識を煽る」がリップサービスではないことが証明される。
なにより結果が求められるワールドカップ予選の舞台で、ハリルホジッチ監督はどんな回答(スターティングオーダー)を見せてくれるのだろうか。欧州組に頼って勝つのは当たり前。そうした状況下で宇佐美、柴崎、槙野以外の国内組をどう上手く使うか。シンガポール戦では、指揮官の工夫と勇気も試される。
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)