チームとしての成果を十分に感じさせた先制点。
イラクと対戦した日本は4-0の完勝を収めた。
試合全体を振り返れば、日本に大きな問題はなかった。後半は少し停滞する時間帯はあったにせよ、前半の内容はほぼパーフェクトだった。
【マッチレポート|日本 4-0 イラク】
【PHOTOギャラリー】日本 4-0 イラク
開始から10分までに、本田、槙野のゴールで2点を奪った。序盤からフル回転で、相手が準備を整える前に、一気にたたみ掛けて得点につなげられたのは大きかった。
ハリルジャパンの持ち味のひとつである縦への速さは、柴崎から本田へとつなげた先制点に凝縮されていた。出し手と受け手の呼吸が合った、チーム戦術の浸透度がよく見て取れるファインゴールだった。
システム的な観点で言えば、今の代表は4-2-3-1を採用していて、この布陣だと2列目の両サイドはワイドに開くのがわりと一般的だと思う。
ただ、今の日本の両サイドはワイドにあまり開かず、中に絞る傾向が強い。おそらく、ハリルホジッチ監督もそのように指示しているはずだけど、右サイドの本田はスピードを武器にするタイプじゃないだけに、現在のスタイルはむしろ合っていると思う。
1点目を見ても、例えばあの場面でワイドに張っていたら、そこで受けてからのクロスという流れになっていたはず。だけど、本田が中央寄りにポジションを取っていることで、スルーパスから裏に抜け出せて、そのままシュートまで持ち込めた。
ゴールへの最短距離を意識して、手数をかけずに奪った先制点に、チームとしての成果を十分に感じられた。
本田に関してさらに言えば、彼は中に絞ってプレーする機会が増えるだろうから、カットインからの左足のシュートはもちろん、右SBとの連係が鍵になってくる。
そもそも、本田はそのフィジカルの強さを活かしたキープ力も持ち味のひとつ。前線でボールを収められれば、チームを落ち着かせられる。それは縦に速いサッカーをするなかでも、絶妙なアクセントになるはず。そういう意味では、相手のレベルが上がれば上がるほど、本田の存在感は際立ってくると思う。
縦への速さというスタイルについては、足もとで無駄にこねくり回すようなことはしないで、『パスを出したら裏に抜ける』という一連の動作が繰り返されていた。
中盤をコンパクトにして、2列目の3人とCFひとりの計4人は近い距離を保ちながら、パスをつないで、より縦を意識して仕掛けていく。漠然と裏に放り込むのではなく、“常に裏を狙っていますよ”という姿勢を示す。
そうしたスタンスが功を奏したのが、原口が決めた4点目だったとも言える。縦に入れたボールをDFにクリアされるけど、セカンドボールを拾った原口がドリブルで相手を振り切って流し込んでみせた。
完全にイラクのDFの足が追い付いていなかったけど、それも前半から執拗に縦を狙い、裏を突いたことがボディブローのように効いて、確実に相手の体力を消耗させたのだろう。
パスワークという点では、ワンタッチ、ツータッチを重視するけど、それが表現されていたのが3点目。宇佐美のドリブルから岡崎に渡ってネットを揺らしたけど、宇佐美に渡る前段階で、ハーフウェーライン付近では本田→香川→柴崎とテンポ良くワンタッチでつないで、宇佐美を前向きにさせるパスを通していた。
試合全体を振り返れば、日本に大きな問題はなかった。後半は少し停滞する時間帯はあったにせよ、前半の内容はほぼパーフェクトだった。
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開始から10分までに、本田、槙野のゴールで2点を奪った。序盤からフル回転で、相手が準備を整える前に、一気にたたみ掛けて得点につなげられたのは大きかった。
ハリルジャパンの持ち味のひとつである縦への速さは、柴崎から本田へとつなげた先制点に凝縮されていた。出し手と受け手の呼吸が合った、チーム戦術の浸透度がよく見て取れるファインゴールだった。
システム的な観点で言えば、今の代表は4-2-3-1を採用していて、この布陣だと2列目の両サイドはワイドに開くのがわりと一般的だと思う。
ただ、今の日本の両サイドはワイドにあまり開かず、中に絞る傾向が強い。おそらく、ハリルホジッチ監督もそのように指示しているはずだけど、右サイドの本田はスピードを武器にするタイプじゃないだけに、現在のスタイルはむしろ合っていると思う。
1点目を見ても、例えばあの場面でワイドに張っていたら、そこで受けてからのクロスという流れになっていたはず。だけど、本田が中央寄りにポジションを取っていることで、スルーパスから裏に抜け出せて、そのままシュートまで持ち込めた。
ゴールへの最短距離を意識して、手数をかけずに奪った先制点に、チームとしての成果を十分に感じられた。
本田に関してさらに言えば、彼は中に絞ってプレーする機会が増えるだろうから、カットインからの左足のシュートはもちろん、右SBとの連係が鍵になってくる。
そもそも、本田はそのフィジカルの強さを活かしたキープ力も持ち味のひとつ。前線でボールを収められれば、チームを落ち着かせられる。それは縦に速いサッカーをするなかでも、絶妙なアクセントになるはず。そういう意味では、相手のレベルが上がれば上がるほど、本田の存在感は際立ってくると思う。
縦への速さというスタイルについては、足もとで無駄にこねくり回すようなことはしないで、『パスを出したら裏に抜ける』という一連の動作が繰り返されていた。
中盤をコンパクトにして、2列目の3人とCFひとりの計4人は近い距離を保ちながら、パスをつないで、より縦を意識して仕掛けていく。漠然と裏に放り込むのではなく、“常に裏を狙っていますよ”という姿勢を示す。
そうしたスタンスが功を奏したのが、原口が決めた4点目だったとも言える。縦に入れたボールをDFにクリアされるけど、セカンドボールを拾った原口がドリブルで相手を振り切って流し込んでみせた。
完全にイラクのDFの足が追い付いていなかったけど、それも前半から執拗に縦を狙い、裏を突いたことがボディブローのように効いて、確実に相手の体力を消耗させたのだろう。
パスワークという点では、ワンタッチ、ツータッチを重視するけど、それが表現されていたのが3点目。宇佐美のドリブルから岡崎に渡ってネットを揺らしたけど、宇佐美に渡る前段階で、ハーフウェーライン付近では本田→香川→柴崎とテンポ良くワンタッチでつないで、宇佐美を前向きにさせるパスを通していた。