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“優勝候補”イングランドのEURO初制覇は今回も難しい? 英国人記者が指摘する“ネガティブな要素”【現地発】

カテゴリ:国際大会

スティーブ・マッケンジー

2021年06月09日

「イングランドは、いつも何かに翻弄される」

「ガスコインの再来」と期待されているグリ―リッシュ。(C)Getty Images

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 チームにアーティスティックなプレーをもたらせる選手として、サポーターやメディアは熱い期待を寄せているのが、ジャック・グリーリッシュだ。

 彼を、過去最高のベスト4に入ったEURO1996でスターになったポール・ガスコインになぞらえ、今大会でブレイクするのは間違いないという意見がもっぱらだ。だが、私の目にはそうは映らない。“ガッサ”の方が、活躍するだけの準備ができていた。

 不安要素もある。代表チームにおいて最も影響力のあるふたりが、故障明けで参加することになった。MFジョーダン・ヘンダーソンとDFハリー・マグワイアだ。前者が代表戦で最後にフル出場したのは、2月以来となる。

 もちろん、彼らはベンチにいたとしてもリーダーシップを発揮できる。とはいえ、そのために招集をしたわけではないだろう。ガレス・サウスゲイト監督は戦力として計算しているはずだが、故障明けは再発の恐れもある。
 
 それに、こうした大舞台ではいつも何かが起こる。

 かつて、我々の代表は、1996年、98年、2004年、06年、12年と、EUROとワールドカップにおいて、いつもPK戦で涙をのんできた。18年ロシアW杯のラウンド・オブ16で、コロンビアをPK戦の末に破り、ようやくこの“呪い”が解けたかのように思われている。

 だが、例えば準々決勝や準決勝でPK戦になった時、ほぼ満員のウェンブリーで、選手たちは冷静にキッカーを務められるだろうか? ほぼ2年間、大観衆の前でPKを蹴ることはなかったのだから、かなりナーバスになるだろう。それは相手も同じことだが、前述した負の歴史があるため、懸念はぬぐえない。

 こうしたネガティブな要素をよそに、ファンの期待は高まるばかり。日々、決勝への勝ち上がりルートを予想してはテレビや新聞で紹介され、自信たっぷりに代表チームの快進撃を信じている。幸せなことに、フランスやベルギーのような強豪チームを忘れたかのようだ。

 もちろん、彼らにチャンスがないとは思わない。だが、イングランドはいつも見えない“何か”に翻弄されてきて、今回もそれが起きる気がする。だから、今大会の優勝はないと見ている。

 とはいえ、大会そのものは素晴らしいものになるだろう。日本のサッカーファンにも、ヨーロッパ最高峰の大会を“安全”に楽しんでほしい。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)    
 
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