代表監督には、代表監督の考えがある。だが、大きな大会に向けての招集メンバー選考が議論を呼ばないことはない。

　イングランド代表のガレス・サウスゲイト監督は、リバプールで２月から戦列を離れていたMFジョーダン・ヘンダーソンをEURO2020に招集した。選手の力を疑う者はいない。それでも長期離脱の影響を懸念する声はある。

　現地時間６月６日に行なわれたルーマニア代表との国際親善試合でも、スタメンリストにヘンダーソンの名前はなく、後半頭からの起用だった。元アイルランド代表のロイ・キーンは、ヘンダーソンを外すべきだったとの考えだ。

　英『talkSPORT』によると、キーンは試合を前に『ITV』で「後半からという話も知っているが、どうしてもっとインテンシティのある前半に出ないんだ？」と述べた。

「後半では交代も多いだろう。ジョーダンがフィットしないのは明白だ。含めるべきでないと思う。ルーマニア戦で先発出場できないなら、フィットしているはずがない。肉体的にも、精神的にも、今日の試合はそこまでタフにならないはずだ」

　さらにキーンは「経験豊富な選手だが、３か月半もボールを蹴らないでEUROとは…」と続けている。
 

「彼にいてほしいとの声を聞くが、なんのためだ？トランプで手品をするのか？歌を歌うため？夜にクイズでも出すのか？それに、リバプールの人間も満足しないだろう。

　３か月半離脱したら、３、４試合は必要じゃないだろうか。後半の45分を乗り越えたら、２、３週間でオプションになるということなのか？彼が十分にフィットしていないのは明白だ」

　一方で、ヘンダーソンは、試合後に「批判を黙らせることは気にしていない。その必要はないと思っている」と“反論”している。

「チームにとっての自分の重要性は分かっている。自分が適切じゃないと感じていたら、監督に話したさ。大会に向けて準備が整うように、この数か月ハードワークしてきた。45分間、本当に良い感じだった。僕らには才能ある選手が多いけど、大会で大きく貢献できると感じている。それを証明し、大会で成功する一員となれることを願っているよ」

　サウスゲイトは、ヘンダーソンを信頼した。ヘンダーソンは、それに応えようとしている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

【PHOTO】海外番記者・識者が選んだ「イングランド代表のレジェンド完全格付けTOP10」を厳選ショットで振り返り！