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【消えた逸材】メッシらと北京五輪を制した“リケルメの再来”。交通事故を境に暗転した小兵FWのキャリア

カテゴリ:連載・コラム

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2021年05月30日

マラガ移籍で心機一転になるかと期待されたが…

33歳になった現在はチリの名門でプレーする。(C)Getty Images

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 新天地はスペインのマラガ。環境の変化が心機一転になるかと期待されたが、しかし、当時はオーナーのカタール王族の下で精力的な補強を展開していたチームに居場所はなかった。4歳年下のイスコらとのポジション争いで大きく後れを取り、約1年半後、出場機会を求めて同じアンダルシアに本拠を置くグラナダに移籍する。

 だが、ここでも事態は好転せず、それはその後レンタルで移籍したパチューカ(メキシコ)、キルメス(アルゼンチン)、そして完全移籍のAEKアテネ(ギリシャ)でも同じだった。

 その放浪生活は16年7月のウニベルシダ・カトリカ(チリ)への移籍とともに終止符を告げ、加入直後の16-17シーズン前期リーグ制覇に貢献するとともに最優秀選手に選出された。その後の成績は尻すぼみに終わっているとはいえ、いまもそのチリの名門でプレーを続けている。

 ブオナノッテのキャリアは、交通事故を境に暗転し、その後、巻き返しを図ることは叶わなかった。華のある小兵アタッカーということで、ヨーロッパでも活躍していれば人気を博していたはずだ。

 あのアクシデントさえなければ、とはだれもが考えることだ。

 しかし、人生観を変えるほどのショッキングな出来事を深く心に刻みながら、ベテランと呼ばれる年齢(33歳)になっても現役を続けていることに我々は賞賛を送るべきだろう。

文●下村正幸

※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年5月20日号より転載
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