東京五輪は爆発的な効果を望める“広報活動”
もちろんその頃と今のファンは違う。少なくとも五輪がどんな大会なのかは、大半が把握している。しかしそれでも国民のサッカーへの熱狂は、五輪を人生最大の目標と捉える他競技と同等か、それ以上になるはずである。コロナ禍の五輪が、どんなレベルの大会になるのか未知数だ。代表招集に応じる義務のないクラブが大事な選手を送り出すはずもないから、たぶんほとんどの出場国は国内組中心の編成になる。また大陸選手権に出場した選手を五輪にも送り込むことは考え難い。
ただし、だからこそ日本サッカー界にとっては、普及を爆発的に進める千載一遇のチャンスとなる。五輪好きで知られる日本人は、団体球技の応援には俄然熱が入る。前回の東京五輪でも、東洋の魔女と呼ばれた日本が金メダル獲得の女子バレー決勝が、今でも残るスポーツ中継の最高視聴率を叩きだした。
それだけに東京五輪が中止になれば、真っ先に愕然と肩を落とすのはJFAだろう。もし金メダルを獲れれば、たとえトゥーロン国際より水準が劣っても未来のサッカー小僧を大量に魅きつけるには十分で、しばらくはこれほど爆発的な効果を望める広報活動に遭遇するのは難しい。次に、五輪代表に選ばれた選手たちも、当然同様に落胆はするはずだ。彼らも国民のヒーローになり、日本サッカーへの大きな恩返しが出来る機会を失うことになる。
ただし、だからこそ日本サッカー界にとっては、普及を爆発的に進める千載一遇のチャンスとなる。五輪好きで知られる日本人は、団体球技の応援には俄然熱が入る。前回の東京五輪でも、東洋の魔女と呼ばれた日本が金メダル獲得の女子バレー決勝が、今でも残るスポーツ中継の最高視聴率を叩きだした。
それだけに東京五輪が中止になれば、真っ先に愕然と肩を落とすのはJFAだろう。もし金メダルを獲れれば、たとえトゥーロン国際より水準が劣っても未来のサッカー小僧を大量に魅きつけるには十分で、しばらくはこれほど爆発的な効果を望める広報活動に遭遇するのは難しい。次に、五輪代表に選ばれた選手たちも、当然同様に落胆はするはずだ。彼らも国民のヒーローになり、日本サッカーへの大きな恩返しが出来る機会を失うことになる。
だが反面、「名誉」を高める機会逸失を除けば、致命的なデメリットも見当たらない。五輪で活躍して知名度と人気が高まれば、買手の質も変わって来る。レアル・マドリーが久保建英を高く売りたいなら、五輪に出て商品価値を高めてくれることを願うはずだ。レンタル先での久保は必ずしも特徴を発揮する機会に恵まれなかったので、日の丸をつけてのパフォーマンスは再評価の格好の機会となりそうだ。何人かの野心的なJリーガーも、活躍次第では買手を増やす可能性がある。
ただし国際市場の青田買いは加速している。
既に日本の24歳以下の五輪候補でも、半数近くが欧州進出のチャンスを掴んでいる。Jリーグを独走する川崎の選手たちがノーマークということもあり得ない。だから五輪は人生を一変させてくれるイベントと、過度な期待を抱くべきではないかもしれない。
ただし国際市場の青田買いは加速している。
既に日本の24歳以下の五輪候補でも、半数近くが欧州進出のチャンスを掴んでいる。Jリーグを独走する川崎の選手たちがノーマークということもあり得ない。だから五輪は人生を一変させてくれるイベントと、過度な期待を抱くべきではないかもしれない。