神戸が一方的に攻めていた流れが、A・バイアのワンプレーで変わる。
「神戸の前線3人は、裏に抜けてボールを受けることも、足もとでもボールを受けられることもできて“出入り”が巧い。それぞれが動いてマークをズラしてシュートやクロスにつなげてくるので、(湘南としては)クサビのパスに対しボールを奪いに行きづらい。
だから、ウチらしく球際にガツガツ行けなかったという見方は確かだが、それができない時にどのように対応したらいいかを学ばされた前半の45分間だった」
神戸の攻撃を牽引したのが、チョン・ウヨンだ。ボランチで久々に先発した186㌢の25歳は、「常に前線(3人)の選手のポジションを見ていた。どの選手もボールのキープ力が高いので、僕はまず彼らにボールを当てることを意識していた」と言う。
その言葉どおり、先制点は彼の縦パスから生まれた。左サイドからのパスを中央に顔を出したチョン・ウヨンがボールを受けると、躊躇せず縦パスをマルキーニョスへ送る。前を向いた歴戦のブラジリアンストライカーは相手のプレスが緩んだ隙を逃さず、約20㍍の位置からGKの位置を見極めてゴール隅にコントロールショットを決めた。
J1史上ふたり目となる通算150点目を決めたマルキーニョスは、「監督の意図するとおり、チョン・ウヨンからのパスを受けての崩しができた」と振り返っている。
その後も神戸が主導権を握る展開が続いた。特に湘南が苦しんだのが、ブラジル人MFフェフージンの絶え間ない強烈なプレッシングだった。
「(フェフージンが)あそこまでボールに来るのは想定していなかった」と、湘南のボランチ永木も語っている。
「監督からは細かく相手の特徴が伝えられているが、実際に試合になるとそのとおりで、しっかりハマっていた」と神戸の高橋峻は話す。おそらくネルシーニョ監督は湘南がボランチに技巧派の可児を起用してくるなどの情報を把握し、そこに仕事をさせないというプランを立ててきたのだ。神戸にとって、この日の2ボランチが機能したことは、大きな収穫になっただろう。
なによりこのパワー主体の戦術が効果的に機能したことで、今後も3-4-2-1の相手に同じ戦い方で臨めるという目処が立ったのはプラス材料だ。すでにランニングができるまで怪我から回復した森岡をどのように組み込むかも、指揮官の手腕の見せどころだ。
ただ、神戸の勢いがぱたりと止まる。あるワンプレーを境に、流れが変わったように見えた。
前半の湘南はチャンスで藤田征がトラップミスをしたり、遠藤がクリアミスをしたりするなど、“フワッ”としたプレーが目立ち出していた。下手をすると悪い流れに陥りそうなところで、40分、リベロのA・バイアが最終ラインからボールを持ち込み、自ら左足で鋭いミドルを放ちゴールの枠を捉えた。
チーム全体に喝を入れ、ゴールに向かおう――というメッセージを込めたようなシュートだった。
だから、ウチらしく球際にガツガツ行けなかったという見方は確かだが、それができない時にどのように対応したらいいかを学ばされた前半の45分間だった」
神戸の攻撃を牽引したのが、チョン・ウヨンだ。ボランチで久々に先発した186㌢の25歳は、「常に前線(3人)の選手のポジションを見ていた。どの選手もボールのキープ力が高いので、僕はまず彼らにボールを当てることを意識していた」と言う。
その言葉どおり、先制点は彼の縦パスから生まれた。左サイドからのパスを中央に顔を出したチョン・ウヨンがボールを受けると、躊躇せず縦パスをマルキーニョスへ送る。前を向いた歴戦のブラジリアンストライカーは相手のプレスが緩んだ隙を逃さず、約20㍍の位置からGKの位置を見極めてゴール隅にコントロールショットを決めた。
J1史上ふたり目となる通算150点目を決めたマルキーニョスは、「監督の意図するとおり、チョン・ウヨンからのパスを受けての崩しができた」と振り返っている。
その後も神戸が主導権を握る展開が続いた。特に湘南が苦しんだのが、ブラジル人MFフェフージンの絶え間ない強烈なプレッシングだった。
「(フェフージンが)あそこまでボールに来るのは想定していなかった」と、湘南のボランチ永木も語っている。
「監督からは細かく相手の特徴が伝えられているが、実際に試合になるとそのとおりで、しっかりハマっていた」と神戸の高橋峻は話す。おそらくネルシーニョ監督は湘南がボランチに技巧派の可児を起用してくるなどの情報を把握し、そこに仕事をさせないというプランを立ててきたのだ。神戸にとって、この日の2ボランチが機能したことは、大きな収穫になっただろう。
なによりこのパワー主体の戦術が効果的に機能したことで、今後も3-4-2-1の相手に同じ戦い方で臨めるという目処が立ったのはプラス材料だ。すでにランニングができるまで怪我から回復した森岡をどのように組み込むかも、指揮官の手腕の見せどころだ。
ただ、神戸の勢いがぱたりと止まる。あるワンプレーを境に、流れが変わったように見えた。
前半の湘南はチャンスで藤田征がトラップミスをしたり、遠藤がクリアミスをしたりするなど、“フワッ”としたプレーが目立ち出していた。下手をすると悪い流れに陥りそうなところで、40分、リベロのA・バイアが最終ラインからボールを持ち込み、自ら左足で鋭いミドルを放ちゴールの枠を捉えた。
チーム全体に喝を入れ、ゴールに向かおう――というメッセージを込めたようなシュートだった。