【浦和】ACL「惨敗」の理由。なぜ、一度もベストメンバーをぶつけなかったのか?

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年04月22日

「JリーグとACLを並行して戦える選手が揃った」指揮官は自信を持っていた。

浦和は21日のACL水原三星戦で1-2と敗れ、通算0勝1分4敗の総勝点わずか1。1試合を残して、グループステージ敗退が早々に決定した。(C)徳原隆元

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 浦和が21日のACLのG組5節・水原三星(韓国)戦で1-2と逆転負けを喫し、通算0勝1分4敗の勝点1で、1試合を残してグループステージ(GS)敗退が決定した。同時に、グループ最下位も確定。GS敗退はミシャ体制下で2年前に続き二度目だ。
 
 1位の北京国安(中国)と2位の水原三星が勝点10、3位のブリスベン(オーストラリア)が勝点7、そして4位の浦和が勝点わずか1と……まさに惨敗だった。
 
 内容も力負けと言わざるを得なかった。同居した3チームはいずれも前線に得点力の高い助っ人を擁し、浦和は同じ過ちを繰り返すように、彼らの個人技を止め切れず失点を許した。Jリーグでは最少失点(6試合・3失点)を記録しているものの、ACLでは全5試合で失点(計8失点)。守備でリズムを崩して、攻撃面の勢いを取り戻せぬ悪循環に陥り、わずか3得点しか奪えなかった。
 
 もちろん浦和が主導権を握った時間帯もあったが、90分間トータルでは勝ち切るだけの強さが感じられなかった。選手が手を抜いているとは決して思わないが、負けてたまるか、というファイティングスピリットのような“熱を、対戦相手からより強く感じられたことも残念でならなかった。
 
 一方、ペトロヴィッチ監督の起用法に疑問があったのも事実だ。悔やまれるのが、結局、ACLの試合に一度もベストメンバーをぶつけてこなかったことだ。
 
 ホームで迎えた3月4日の2節・ブリスベン戦、ペトロヴィッチ監督は就任から4年目で初めて2トップを採用し、右WBに加賀を公式戦で初めて先発させるという奇策に打って出た。ところがこれが完全に裏目に出て、開始早々の2分に失点。後半には那須がレッドカードを受けて退場となり、結局0-1のまま敗れた。
 
 その後、「3/14(土):Jリーグ2節・山形戦/ホーム」→「3/17(水)ACL3節:北京国安/アウェー」→「3/22(日):Jリーグ3節・広島戦/アウェー」という3連戦が組まれていた。すると山形戦前日の紅白戦では、主将の阿部が控えチームに回り、『阿部不在』を想定した主力組の連係向上に時間が費やされていた。
 
「JリーグとACLを並行して戦える、補強を含め質の高い選手が揃った」
 
 そうペトロヴィッチ監督は語っていただけに、山形戦はベテランの主力組を温存し、決勝トーナメント進出のためには勝利が求められる北京国安戦に、その時点でのベストメンバーをぶつけるのではないか――と予測された。
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