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“降格ほぼ当確”から奇跡の残留へ。岡崎と武藤の古巣マインツが立て直しに成功した理由は?【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2021年04月19日

クロップが築き上げたマインツ・スタイルとは?

若き日のクロップが初めて率いていたのがマインツだ。 (C)Getty Images

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 そして、降格の危機にあるチームをこうも思いやっていた。

「諦めているわけではない。サッカーはあらゆることが起こりえるから。そしていまこの状況でそうした可能性を実現できるとしたら、それはボーだけだと思う。指導者としてオーストリアで経験を積み、さらに成長したと感じているし、監督就任後の様子を見ていると、正しい決断だった。スタッフとのやり取りも良好だよ。ボーは僕らのことをよく知っているし、僕らも彼のことはよくわかっているから。あとはここからベストを尽くしていくだけだ」

 そしてその言葉通り、スベンソン監督就任からクラブは自分達らしいサッカーを取り戻していく。では、マインツらしいサッカーとは何なのか? ペッシュは丁寧に説明してくれた。
 

岡崎(左)はマインツ時代にトゥヘル監督(右)の指導を受けた。(C)Getty Images

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「僕らマインツにとって大事なのは、『情熱』『感動』『熱狂』だ。それはクラブの歴史にも関わってくる。僕らのクラブはものすごく長い伝統があるわけではない。99年まで2部リーグにいたクラブだ。金銭的にも多額の投資はできない。だからこそ、人間性を持っている選手が重要視されている。ボルフガング・フランクとユルゲン・クロップという二人がマインツ・スタイルの礎を作り上げ、それがいま育成哲学にもつながっている」

 その通りで、マインツはかつて、継続的な取り組みと家族的な雰囲気、そしてアンダードッグとしての気概を持ち合わせたクラブとして、ブンデスリーガを席巻していた。

 試合の笛が鳴り、終了の笛が鳴るまで走り続ける意思を持った選手、何度転んでも立ち上がり戦い続ける選手、ギリギリのところまで粘ってボールを狙う選手、体をなげうってでもゴールを奪い取る選手。そうしたすべての要素がチームを作り上げていく。

「クラブの立ち位置として、うちに抜群の才能を持った選手が入って来るというのはなかなかない。そんななか僕らが武器としているのは、そこから這い上がってくるメンタリティーを持った選手たちだ。スカウトや指導者もそれを重視して探している。マインツのトップチームは1部残留が目標だ。そこでは、観客を魅了する素晴らしいテクニックの持ち主が求められるわけではない。どんな時でも諦めずに走り続ける、謙虚であり続ける。そうした選手がなにより重要だ」
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