勝者が素晴らしかったというより、敗者に問題があった。
前半が0-0で終わった時、私は「これはG大阪が勝つかな」と思った。主導権を握りながらチャンスを決められず、終盤、カウンターから崩れる……。そうした結末を、これまで何度も見てきたからだ。
だが、この日の浦和は悪いパターンに陥ることはなかった。関根と李を投入することでG大阪に圧力をかけ続け、84分、宇賀神からの折り返しをズラタンが押し込む。システムの優位を活かしたサイドからの攻撃が、決勝点につながった。
浦和は最後までシステムの優位を押し出し、勝点3を掴んだ。敵陣でボールを失っても休まず、すぐに潰しにかかった。だが厳しい見方をすれば、勝者が素晴らしかったというより、敗者に問題があったように思える。
右SBのスペシャリストが不在だったG大阪は、バランスが悪いうえに、連戦の影響から終盤に走力を欠いた。そしてなにより、システムの不利に無頓着なまま、ゲームを続けていた。それは浦和の拙攻を期待しているかのような試合運びにも見えた。
浦和はシュートの意欲と精度を高めなければならない。システムの不利を放置したG大阪は、もっとシビアな駆け引きをしなければならない。
5万3000人が見届けた埼スタ決戦――それは日本の最高峰を争うゲームとしては、物足りなさが残るものだった。
取材・文:熊崎 敬
だが、この日の浦和は悪いパターンに陥ることはなかった。関根と李を投入することでG大阪に圧力をかけ続け、84分、宇賀神からの折り返しをズラタンが押し込む。システムの優位を活かしたサイドからの攻撃が、決勝点につながった。
浦和は最後までシステムの優位を押し出し、勝点3を掴んだ。敵陣でボールを失っても休まず、すぐに潰しにかかった。だが厳しい見方をすれば、勝者が素晴らしかったというより、敗者に問題があったように思える。
右SBのスペシャリストが不在だったG大阪は、バランスが悪いうえに、連戦の影響から終盤に走力を欠いた。そしてなにより、システムの不利に無頓着なまま、ゲームを続けていた。それは浦和の拙攻を期待しているかのような試合運びにも見えた。
浦和はシュートの意欲と精度を高めなければならない。システムの不利を放置したG大阪は、もっとシビアな駆け引きをしなければならない。
5万3000人が見届けた埼スタ決戦――それは日本の最高峰を争うゲームとしては、物足りなさが残るものだった。
取材・文:熊崎 敬