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鹿島の新エース候補に、桜の絶対的リーダー、ロティーナの申し子…J開幕まで2週間、今季の注目株たちに迫る

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2021年02月13日

清武が語る理想のチームスタイル。清水が挑むロティーナ戦術でキーパーソンとなるのは…

ロティーナ監督とともにC大阪から清水へ移籍した片山。戦術新党のキーマンとなるか。

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「ユンさんとロティーナの守備を継続しつつ、もう少し攻撃的にできれば理想です。過去4年間を知っている選手が『ここに立ち返るんだ』というのを新戦力に伝え、すり合わせながらいいチームを作らないといけない」と言うキャプテンの清武は、宮崎で挑んだ徳島ヴォルティス、横浜FC、町田ゼルビアとの練習試合でも「立ち位置をしっかりしよう」と周囲に声をかけて戦った。

 新戦力の進藤亮佑、鳥海晃司らセンターバック陣がケガで出遅れ、現時点では瀬古歩夢と西尾隆矢という若いDFが中心とならざるを得ないという懸念もあるものの、昨季主力組の攻守両面にわたる安定感は不動のものだ。清武自身もケガなしで2シーズン連続フル稼働できれば、チーム全体が揺れ動くことはないはず。攻撃のお膳立て、フィニッシュ、統率力を含め、あらゆる面で彼がカギを握っていると言っても過言ではない。

 怪我続きだった清武を再生させ、セレッソに強固な守備を植えつけたロティーナ監督が指揮を執る清水も、守備組織の構築が着実に進んでいる印象だ。9日の松本山雅戦は3本目にまさかの3失点を喫し、合計スコアは4-4のドローに終わったものの、1本目に出た権田修一、原輝綺、鈴木義宣、ヴァウド、片山瑛一の守備陣は手堅い守りを披露。「1本目はミスも少なく、いい状態で入れた」と指揮官も満足そうだった。

 スペイン人指揮官のポジショナルプレーは戦術浸透に時間がかかると言われる。実際、セレッソも1年目は結果が出始めるまで開幕から2か月以上の時間を要した。が、今回は指揮官の愛弟子である片山がピッチ上にいて、立ち位置やゾーンの守り方などの約束事を伝えてくれている。それは非常に心強い要素だろう。

「セレッソ時代の記憶を辿ると、現時点での手応えはほぼ近いものがある。片山がいることも大きい。彼は私のコンセプトを知っているし、彼自身が知っていることを周りに伝えられる。さらに複数ポジションをこなせるいい選手がいることは非常にプラスです」と指揮官も絶大な信頼を寄せていた。

 今後、エウシーニョやウイリアム・マテウスが合流すれば、彼自身の立ち位置は微妙になるかもしれないが、「ロティーナの片腕」という役割は変わらない。要所要所で穴を埋める意味でもこの男の存在は欠かせない。
 
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