Bチームを率いるシャビ・アロンソの存在も大きい
今シーズンはオーバー30の主力がダシルバとモンレアル、イジャラメンディだけなんだよね。
あとは20代前半から半ばの選手が多数。試合を追っていると、若手育成の面では「へぇ、こんな選手がいたんだ」と思うことが時々ある。実は、ソシエダのBチームの監督はシャビ・アロンソなんだけど、彼の存在も大きい。
近年、明らかに上向いた育成に経験豊富なシャビ・アロンソが加わったことが若手の躍動の要因の一つなんじゃないかな。久保建英がいるビジャレアルもそうだけど、中堅クラブの中で育成の質、表現しているフットボールの質の両立を果たせているのはこの2チームに共通しているところだと思う。
本当に、ソシエダのフットボールは教科書以外の何物でもない。
当然、ベテラン二人が果たす役割も戦術的に違うし、立ち位置にも違いがある。たとえば、モンレアルは同サイドの選手と同じレーンに立たないようなポジショニングを意識して、サリーダ・デ・バロンを円滑にしている。ただ昨シーズンはその先の苦しいときにウーデゴーがその局面を打開して良い流れを生み、ゴールにつなげていたことがたくさんあった。
だからと言って、今シーズンはその役割をシルバが無理やり担っているわけではなく、違う打開の仕方をプレーで示せている。アルグアシル監督の戦術が浸透し、プレーとプレーの間のタイムラグが減ったことが好影響をもたらしているし、そこにシルバが加わることで、チーム全体のプレーのスムーズさがより増した。まさしく水の流れを止めないプレーでまわりの良さを引き出している。
彼が入ったことでペナルティアエリアにボールがグラウンダーで侵入する回数が増えた気がする。
ソシエダはサリーダ・デ・バロンで相手陣内に侵入していくときに前線の3枚が相手の4バックをピン止めする。そのルールとして4バックの間に立つことになっている。つまり、2CBの間、SBとCBの間という風に立ち位置をとる。そして、SBも幅をとるとき以外はサイドライン一杯まで開かないように心がけている。それは同サイドのウイングに対してSBが縦パスを送るときにサイドライン一杯に開くと巻いたボールを蹴りにくいからだ。
パターンとしてSBが縦パスを送り、それをウイングが素早く中央目掛けて低いグラウンダーのボールを放り込む狙いがある。昨シーズンで言えば、これで相手を押し込めないときやラインを下げられてブロックを組まれたときの崩しの変化は、ウーデゴーに任せっきりになっていたから、タイプの違うシルバが入ったことでポジティブすぎる変化が起こったことに驚いている。
ベティス戦(第6節)の1点目は典型的だった。
左SBのモンレアルが縦パスを受けたウイングのオジャルサバルが素早く低いグラウンダーのボールを供給して、右サイドのポルトゥが斜めに走り込んできてゴールにつながった。まさしくソシエダが「相手にどう驚異を与えるためのポジショナルプレーをしているか」を象徴するようなシーンだった。
あとは20代前半から半ばの選手が多数。試合を追っていると、若手育成の面では「へぇ、こんな選手がいたんだ」と思うことが時々ある。実は、ソシエダのBチームの監督はシャビ・アロンソなんだけど、彼の存在も大きい。
近年、明らかに上向いた育成に経験豊富なシャビ・アロンソが加わったことが若手の躍動の要因の一つなんじゃないかな。久保建英がいるビジャレアルもそうだけど、中堅クラブの中で育成の質、表現しているフットボールの質の両立を果たせているのはこの2チームに共通しているところだと思う。
本当に、ソシエダのフットボールは教科書以外の何物でもない。
当然、ベテラン二人が果たす役割も戦術的に違うし、立ち位置にも違いがある。たとえば、モンレアルは同サイドの選手と同じレーンに立たないようなポジショニングを意識して、サリーダ・デ・バロンを円滑にしている。ただ昨シーズンはその先の苦しいときにウーデゴーがその局面を打開して良い流れを生み、ゴールにつなげていたことがたくさんあった。
だからと言って、今シーズンはその役割をシルバが無理やり担っているわけではなく、違う打開の仕方をプレーで示せている。アルグアシル監督の戦術が浸透し、プレーとプレーの間のタイムラグが減ったことが好影響をもたらしているし、そこにシルバが加わることで、チーム全体のプレーのスムーズさがより増した。まさしく水の流れを止めないプレーでまわりの良さを引き出している。
彼が入ったことでペナルティアエリアにボールがグラウンダーで侵入する回数が増えた気がする。
ソシエダはサリーダ・デ・バロンで相手陣内に侵入していくときに前線の3枚が相手の4バックをピン止めする。そのルールとして4バックの間に立つことになっている。つまり、2CBの間、SBとCBの間という風に立ち位置をとる。そして、SBも幅をとるとき以外はサイドライン一杯まで開かないように心がけている。それは同サイドのウイングに対してSBが縦パスを送るときにサイドライン一杯に開くと巻いたボールを蹴りにくいからだ。
パターンとしてSBが縦パスを送り、それをウイングが素早く中央目掛けて低いグラウンダーのボールを放り込む狙いがある。昨シーズンで言えば、これで相手を押し込めないときやラインを下げられてブロックを組まれたときの崩しの変化は、ウーデゴーに任せっきりになっていたから、タイプの違うシルバが入ったことでポジティブすぎる変化が起こったことに驚いている。
ベティス戦(第6節)の1点目は典型的だった。
左SBのモンレアルが縦パスを受けたウイングのオジャルサバルが素早く低いグラウンダーのボールを供給して、右サイドのポルトゥが斜めに走り込んできてゴールにつながった。まさしくソシエダが「相手にどう驚異を与えるためのポジショナルプレーをしているか」を象徴するようなシーンだった。
このチームは各ポジションの立ち位置にもすべて意味があるし、その上でチームのプレーが成り立っていることを選手が理解している。相手の立場からすると、あんなシーンを見せられたらその後にSBは相手のインテリオール(インサイドハーフ)に対して食い突きにいけなくなる。そこに行けば自分の背後を突かれてしまうからだ。
ここは昨シーズンより精度が上がったし、チームとして無意識時におけるテンポやタイミングもそろったからスピードが上がった。確実に、サリーダ・デ・バロンから始まるゴールへのアプローチの質とスピードは高まったよね。しかも、どの選手が起用されても同じようなプレーができている。
ピボ(アンカー)はゲバラやスベルディアが務めることが多かったけど、最近はスピメンディという選手が起用されている。今シーズンはELを戦うから同じポジションに2人以上の選手をそろえている。それは昨シーズンのコロナ禍とウーデゴーのケガというしんどい状況でも若い選手を起用しながら戦い、目標にしていたEL出場権を獲得したことが大きな自信につながっている。
今シーズンの現状を見ているともしシルバが不在でも十分に戦えると思う。それだけ充実したチームのクオリティーがあるし、選手も育てながら経験も積ませ、結果も得ている。
開幕直後のシルバが出場できない時期に、10番のオジャルサバルがインテリオールを務めていて、「やっぱりサイドの選手だな」と観察していた一方で、だからとチームに不具合を起こすようなプレーをしていたわけではなく、きちんと機能していたからね。欠点を無理やり探すなら、右ウイングのポルトゥのようなゴリゴリに前に仕掛けられる槍型のファイタータイプが唯一いないくらいで、他はどのポジションにも2人以上の選択肢を持てている。
ここは昨シーズンより精度が上がったし、チームとして無意識時におけるテンポやタイミングもそろったからスピードが上がった。確実に、サリーダ・デ・バロンから始まるゴールへのアプローチの質とスピードは高まったよね。しかも、どの選手が起用されても同じようなプレーができている。
ピボ(アンカー)はゲバラやスベルディアが務めることが多かったけど、最近はスピメンディという選手が起用されている。今シーズンはELを戦うから同じポジションに2人以上の選手をそろえている。それは昨シーズンのコロナ禍とウーデゴーのケガというしんどい状況でも若い選手を起用しながら戦い、目標にしていたEL出場権を獲得したことが大きな自信につながっている。
今シーズンの現状を見ているともしシルバが不在でも十分に戦えると思う。それだけ充実したチームのクオリティーがあるし、選手も育てながら経験も積ませ、結果も得ている。
開幕直後のシルバが出場できない時期に、10番のオジャルサバルがインテリオールを務めていて、「やっぱりサイドの選手だな」と観察していた一方で、だからとチームに不具合を起こすようなプレーをしていたわけではなく、きちんと機能していたからね。欠点を無理やり探すなら、右ウイングのポルトゥのようなゴリゴリに前に仕掛けられる槍型のファイタータイプが唯一いないくらいで、他はどのポジションにも2人以上の選択肢を持てている。