【マドリー番記者】が究明――レアル・マドリーが不振に陥った3つの理由

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年03月13日

スタメンは世界トップクラスの11人だが…。

モドリッチの欠場にこのハメスの離脱が重なり、中盤は機能性が低下した。ボールを使ったトレーニングを再開したハメスの復帰が待たれる。 (C) Getty Images

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3)モドリッチとハメスの負傷離脱
 
 無視できないのは、モドリッチとハメスの離脱の影響だ。
 
 太腿を痛めたモドリッチは、前述のシャルケ戦で復帰するまで昨年11月から約4か月間戦列を離れていた。一方のハメスは2月頭に右足を骨折し、4月上旬の復帰を目標にリハビリ中だ。
 
 テンポよくパスを出し入れして中盤にリズムを生むのがモドリッチだ。なかでも前線に当てるクサビの縦パスが真骨頂で、それを失った影響は小さくなかった。
 
 そのモドリッチの欠場に、パスワークに加わりながら、崩しの局面で決定的な違いを作り出すハメスの離脱が重なったことで、中盤の流動性が一気に低下してしまった。
 
 そして、モドリッチとハメスが戦列を離れてからの機能性の低下は、マドリーのある真実を明らかにした。
 
 それは、「スタメンこそ世界トップクラスの11人を揃えているが、控えの層は決して厚くはない」という真実だ。
 
 イジャラメンディ、ケディラ、ヘセはいずれも世界トップクラスとは呼べない。1月にクルゼイロから獲得したブラジルU-21代表のルーカス・シウバも、どう好意的に見ても、偉大な才能の持ち主だとは思えない。
 
 クロースの代役を安心して任せられる控えも見当たらない。クロースは開幕からずっと出ずっぱりで、ここまで全試合スタメンを続けている。このところの低調は疲労の蓄積がひとつの要因だろう。
 
 マドリーの先発11人の出場時間は、バルサの先発11人のそれよりも、ここまで計2000分も多い。ロナウドが怪我で2試合を欠場し、モドリッチとハメスに加えてS・ラモスも長期離脱を余儀なくされているにもかかわらず、だ。
 
 危機的状況にあるマドリー。敵地でのクラシコが3月22日に迫る。今シーズンの運命を決定づける、文字通りの大一番だ。
 
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋
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