年間100ゴールも!? C・ロナウド、驚異的なゴールラッシュの理由とは

カテゴリ:メガクラブ

下村正幸

2014年10月23日

怪我の影響でフィニッシュにより注力。

例年以上の超ハイペースでゴールを量産しているロナウド。その理由とは――。 (C) Getty Images例年以上の超ハイペースでゴールを量産しているロナウド。その理由とは――。 (C) Getty Images

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 レアル・マドリーのクリスチアーノ・ロナウドが驚異的なペースでゴールを量産している。リーガ・エスパニョーラはここまで7試合に出場して15ゴール(歴代最速での15ゴール到達)、チャンピオンズ・リーグは3試合で3ゴール、UEFAスーパーカップで2ゴール。2011-12シーズンにリオネル・メッシがマークしたシーズン73ゴールを上回る超ハイペースで、年間100ゴールの大台にも届きそうな勢いだ。
 
 09年のR・マドリー加入後5年間で公式戦通算252ゴール、1シーズン平均50.4ゴールを挙げてきたロナウドが、フィニッシュにさらなる磨きをかけたのは、なぜか。
 
「俺は9番(=CF)ではない」と常々語る本人の言葉とは裏腹に、プレースタイルが“CF化”しているのは間違いない。その要因として挙げられるのが、昨シーズンに負った左足の怪我の影響だ。ワールドカップで無理をしたこともあり、コンディションに不安を抱えたまま開幕を迎えた今シーズンは、いわばフィニッシュにより注力しているのだ。左ウイングの定位置に変わりはないが、ここぞというタイミングでスペースに入り込み、確実に仕留めるその様は、まさに円熟の点取り屋だ。
 
 3トップを組むカリム・ベンゼマ、ガレス・ベイルとのコンビネーションの深化も指摘できるだろう。ベンゼマの「B」、ベイルの「B」、クリスチアーノの「C」を取って「BBC」と呼ばれるこの3トップは、阿吽の呼吸でポジションチェンジを繰り返し、文字通り縦横無尽に相手の守備陣を翻弄している。ベンゼマとベイルのお膳立てから、「フィニッシュ特化型」にモデルチェンジしたロナウドが確実に決めるという構図だ。
 
 そう考えると、コンディションの不安からチームプレーの意識が高まり、それがゴール量産を促したとも言えるかもしれない。もちろんその背景には、状況に応じてプレースタイルを変えられる本人の卓越したサッカーインテリジェンス、自由にプレーする特権を与えているカルロ・アンチェロッティ監督の信頼、ロナウドとは対照的にCFからトップ下的な色彩を濃くしているベンゼマをはじめとする周囲の献身的なサポート体制があるのは言うまでもない。
 
 マンチェスター・ユナイテッドでブレイクして以来、スピードとパワーを前面に押し出したプレースタイルの限界が常に囁かれてきた。しかし、そうした声を嘲笑うかのように、年齢とともにプレーの幅を広げるロナウドは、30歳の節目を前にしてゴールスコアラーという新境地を開き、さらにそれを極めようとしている。その意味でも、10月25日のクラシコは楽しみだ。ロナウドのゴールが炸裂するのか――。
 
文:下村正幸
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