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ディ・マルツィオの【移籍市場ここだけの話】モウリーニョとの会食に参加した代理人から連絡が…クアドラード チェルシー行きの顛末

カテゴリ:ワールド

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2015年03月04日

育成補償金をめぐるチェルシーとフィオレンティーナの駆け引き。

補強収支の帳尻を合わせるため、チェルシーはこのシュールレをヴォルフスブルクに売却。クアドラード獲得と完全にセットで進められたオペレーションだった。 (C) Getty Images

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 最後の争点となったのが、育成補償金をどちらが負担するか。FIFAの規定には、選手が国をまたいで移籍する場合、5パーセントに当たる額を育成補償金として、その選手が12歳から23歳までに過ごしたすべてのクラブに配分するというルールが定められている。
 
 通常、これを支払うのは選手の新天地となるクラブだが、チェルシーは今回、フィオレンティーナに賄わせようと画策したのだ。金額にして170万ユーロ(約2億3800万円)ほどで、決して安くはない。最終的には両クラブが折半するという形で決着して、ようやく移籍成立の運びとなった。
 
 最近は、移籍交渉の最後の最後でこの育成補償金を巡るトラブルが発生する事例が少なくない。これは、買い手の側が支払いを避けようと、意識的にそこに触れないまま話をまとめようと試みるケースが多いからだ。馬鹿げた話のように聞こえるかもしれないが、少なくとも数十万ユーロ、多い時には100万ユーロ(約1億4000万円)を超える金額になるのだから、無視できるものではない。
 
 チェルシーでクアドラードの移籍交渉に当たったのは、オーナーのアブラモビッチの秘書とも愛人とも言われる凄腕の女性マネージングディレクター、マリーナ・グラノフスカヤ。元モデルで、17年もの間アブラモビッチの片腕を務めている彼女は、事実上のスポーツディレクターであり、移籍交渉を一手に引き受けているだけでなく、多くの代理人からリスペクトされている。彼女については今後も触れる機会があるだろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
【著者プロフィール】
ジャンルカ・ディ・マルツィオ
 1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。父は70~90年代にナポリ、ジェノア、レッチェなどで監督を歴任し、現在はTVコメンテーターのジャンニ・ディ・マルツィオ。選手としては才能に恵まれず、ジャーナリストを志し、パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタート。04年から『スカイ・イタリア』に所属する。
 父を通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、13年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
(ワールドサッカーダイジェスト2015.3.5号より)
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