首位快走の原動力との称賛も――知られざる「新女王」グラノフスカヤとは 【チェルシー番記者】が迫る

カテゴリ:メガクラブ

ダン・レビーン

2014年11月25日

アザールも、D・コスタも、セスクも、すべて彼女が。

10月に辞任したグーレイ(右)の後を受け、事実上のCEOに就任したグラノフスカヤ。モウリーニョ(左)の復帰も彼女の功績だ。 (C) Getty Images

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 1960年代に活躍したストライカー、ピーター・オスグッドがチェルシーのキングだとすれば、さながら彼女は新女王だ。マリーナ・グラノフスカヤ――。モスクワ郊外出身の39歳の女性が、「チェルシー王国」を動かす実質的なCEOに就任した。10月に辞任したロン・グーレイの後任としてだ。
 
 グラノフスカヤは、オーナーのロマン・アブラモビッチが最も信頼する腹心のひとりで、その関係は十数年来だ。アブラモビッチが経営する石油会社『シブネフチ』で、グラノフスカヤは1997年から秘書兼相談役を務め、資産運用などで辣腕を振るってきた。
 
 2003年にアブラモビッチがチェルシーを買収すると、それに従ってロンドンに移り、クラブの経営に携わる。10年からはアブラモビッチの代理として発言力を強め、13年6月にクラブのディレクターに就任、重要な決定に関わってきた。
 
 メディアにほとんど顔を出さないグラノフスカヤは、いわばベールに包まれた人物だ。分かっているのは、非常に優れたビジネスパーソンであり、人間関係を構築する能力に長けているということ。英語を流暢に操り、その他の言語も話せるという。近しい関係者は、フレンドリーで、ロシア人らしからぬ温かい心の持ち主だと、その人物像を語る。そして、彼女こそ、アブラモビッチが耳を傾ける数少ないひとりなのだ。
 
 過去4年間のチェルシーの移籍オペレーションは、すべてグラノフスカヤが陣頭指揮を執った。エデン・アザールも、ジエゴ・コスタも、セスク・ファブレガスも、入団交渉をまとめたのは彼女である。この夏には、ジョン・テリーの去就を決めることになるだろう。
 
 ジョゼ・モウリーニョ監督の復帰を実現したのもグラノフスカヤの功績だ。07年に袂を分かって以来、冷め切っていたアブラモビッチとモウリーニョの関係を、間に入って修復したのだ。意地を張り合う男のエゴを、彼女が取り除いたわけだ。「首位快走の大きな原動力」とグラノフスカヤを持ち上げる関係者の称賛も、決して大袈裟ではないだろう。
 
 グーレイの退任を受けて、チェルシーはリバプールの元CEO、クリスティアン・パースローを雇い入れたが、その肩書はグローバル・コマーシャルディレクター。理事会でより大きな発言権を与えるという表現で、クラブはグラノフスカヤを事実上のCEOとして認めている。
 
 チェルシーの新たな顔として、グラノフスカヤはさらに大きな影響力を行使することになった。有能なビジネスパーソンにして、親しみやすい新女王――。チェルシー王国に、ついに平穏が訪れるかもしれない。
 
【記者】
Dan LEVENE|GetWestLondon.com
ダン・レビーン/GetWestLondon.com
チェルシーのお膝元、ロンドン・フルアム地区で編集・発行されていた地元紙『フルアム・クロニクル』でチェルシー番を務め、現在は同紙が休刊して全面移行したウェブ版『GetWestLondon.com』で引き続き健筆を振るう。親子三代に渡る熱狂的なチェルシーファンという筋金入りで、厳しさのなかにも愛ある筆致が好評だ。
【翻訳】
松澤浩三

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