ペップのスタイルから上積みをしているバイエルン
スペイン好きの僕としては、CLベスト8でスペイン勢が全滅することを多少は予測していたものの、実際にバルサもマドリーも負けると複雑(苦笑)。アトレティコはチャンスがあると本気で思ってたんだけどね。
2強がスペインを引っ張っていってくれないと、リーガは次の新しい戦術が生まれてこないから。ジダンも確かにチームマネジメントだったり、選手の特徴を生かす戦術だったりは上手だけど、純粋な戦術家、戦術研究家と呼ぶよりは勝負師に近い。
ドイツはナーゲルスマンが出てきて、次の戦略・戦術家がどんどん育って監督として評価されてきている。
スペインにもグラナダの監督のディエゴ・マルティネスが39歳で、ちょうど今季から久保のボスになるウナイ・エメリが頭角を現したのが35、36歳くらいだったから若い監督がもっと活躍してほしいよね。今、スペインは転換期を迎えている。リーガの解説をしてるから1部、2部といろいろな試合を見るけど、これは代表問題にもつながるスペイン全体の問題だと僕は思っている。
さて、この試合に話を戻すと、「バイエルンもバルサも監督が変わったなかでどう進化したのか」という見方ができる。バルサはCL未経験の外部監督を招聘し、バイエルンはCL未経験の内部昇格という形でチームを知る人物を監督に選んだ。バイエルンのハンジ・フリックはドイツ代表監督ヨアヒム・レーブの右腕として2014年のワールドカップで優勝を経験している。あのときの優勝メンバーの中心には、バイエルンに関わった選手が数多くいた。
そういう比較でいうと、バイエルンは選んだ監督によって生き返った選手がたくさん出てきた。ペップ時代の良いものを用いながら「今いるメンバーで何ができるのか」という再整理ができた。リーグ戦も途中まで苦しんでいたけど、監督がフリックに交代してからは落ち着いて、盤石な戦いをしてきた。
国内のリーグ戦も、ベスト16のチェルシー戦も、バルサ戦もアラバをセンターバックに据えてチームとしての狙いが定まった。左SBのデイビスを成長させたのも、この監督が果たした大きな仕事の一つ。守備時のポジショニングで「んっ?」と思うときもあるけど、それを補って余りあるスピードがあるから攻撃面で大きな期待が持てる。
キミッヒもチーム内のケガ人の影響でボランチではなく、右SBで出場したけど、ペップ時代はこのポジションでブレイクしたわけなので、ここはうまく遺産を利用してチアゴ&ゴレツカというダブルボランチの組み合わせを見出している。チアゴは見事にチームのタクトを振るうし、ゴレツカは自らの特徴を生かして身体を張って守備に奔走したり前線に飛び出したりしている。
彼らに呼応してミュラー&レバンドフスキという縦関係もうまく機能している。なんといっても、今シーズンはミュラーがいい。スペースを見つけて、それを使うタイミングをここまで知っている選手はいない。
あのタイプの選手を生かせるのは、やっぱり監督しかいないんだよね。彼を信頼してあげて、ある程度の自由と規律を与えて、最終的に何をしてほしいのかというメッセージを伝えたらあれだけのパフォーマンを見せてくれるから、ミュラーはすごいよ。
バイエルンは本当にチームとして強い!
攻守の切り替えの早さという戦術的ベースの部分から、レバンドフスキとミュラーのどちらかが必ずブスケッツを見てボールを外回りさせ、両サイドにボールが収まったときのニャブリとペリシッチの活動量で追いつめる。その隙間をゴレツカが埋め、ボールサイドではサイドバックが前に出てプレスをかけきる状態を作る。
その守備を安定させたのは後方に構える2CBと逆サイドのSB、チアゴの4枚が前線に対するパスコースを消すこと、穴埋めをしていたから。そうすることでチーム全体が守備組織を成り立たせている。これは間違いなく監督の手腕だ。
走ること、動くこと、汗をかくことがチームのプラスになる。選手たちがこの監督が掲げた哲学を信じてプレーできている。単純に「ハイプレス」という言い方をされているけど、バイエルンはそういう守備コンセプトが徹底できている。
2強がスペインを引っ張っていってくれないと、リーガは次の新しい戦術が生まれてこないから。ジダンも確かにチームマネジメントだったり、選手の特徴を生かす戦術だったりは上手だけど、純粋な戦術家、戦術研究家と呼ぶよりは勝負師に近い。
ドイツはナーゲルスマンが出てきて、次の戦略・戦術家がどんどん育って監督として評価されてきている。
スペインにもグラナダの監督のディエゴ・マルティネスが39歳で、ちょうど今季から久保のボスになるウナイ・エメリが頭角を現したのが35、36歳くらいだったから若い監督がもっと活躍してほしいよね。今、スペインは転換期を迎えている。リーガの解説をしてるから1部、2部といろいろな試合を見るけど、これは代表問題にもつながるスペイン全体の問題だと僕は思っている。
さて、この試合に話を戻すと、「バイエルンもバルサも監督が変わったなかでどう進化したのか」という見方ができる。バルサはCL未経験の外部監督を招聘し、バイエルンはCL未経験の内部昇格という形でチームを知る人物を監督に選んだ。バイエルンのハンジ・フリックはドイツ代表監督ヨアヒム・レーブの右腕として2014年のワールドカップで優勝を経験している。あのときの優勝メンバーの中心には、バイエルンに関わった選手が数多くいた。
そういう比較でいうと、バイエルンは選んだ監督によって生き返った選手がたくさん出てきた。ペップ時代の良いものを用いながら「今いるメンバーで何ができるのか」という再整理ができた。リーグ戦も途中まで苦しんでいたけど、監督がフリックに交代してからは落ち着いて、盤石な戦いをしてきた。
国内のリーグ戦も、ベスト16のチェルシー戦も、バルサ戦もアラバをセンターバックに据えてチームとしての狙いが定まった。左SBのデイビスを成長させたのも、この監督が果たした大きな仕事の一つ。守備時のポジショニングで「んっ?」と思うときもあるけど、それを補って余りあるスピードがあるから攻撃面で大きな期待が持てる。
キミッヒもチーム内のケガ人の影響でボランチではなく、右SBで出場したけど、ペップ時代はこのポジションでブレイクしたわけなので、ここはうまく遺産を利用してチアゴ&ゴレツカというダブルボランチの組み合わせを見出している。チアゴは見事にチームのタクトを振るうし、ゴレツカは自らの特徴を生かして身体を張って守備に奔走したり前線に飛び出したりしている。
彼らに呼応してミュラー&レバンドフスキという縦関係もうまく機能している。なんといっても、今シーズンはミュラーがいい。スペースを見つけて、それを使うタイミングをここまで知っている選手はいない。
あのタイプの選手を生かせるのは、やっぱり監督しかいないんだよね。彼を信頼してあげて、ある程度の自由と規律を与えて、最終的に何をしてほしいのかというメッセージを伝えたらあれだけのパフォーマンを見せてくれるから、ミュラーはすごいよ。
バイエルンは本当にチームとして強い!
攻守の切り替えの早さという戦術的ベースの部分から、レバンドフスキとミュラーのどちらかが必ずブスケッツを見てボールを外回りさせ、両サイドにボールが収まったときのニャブリとペリシッチの活動量で追いつめる。その隙間をゴレツカが埋め、ボールサイドではサイドバックが前に出てプレスをかけきる状態を作る。
その守備を安定させたのは後方に構える2CBと逆サイドのSB、チアゴの4枚が前線に対するパスコースを消すこと、穴埋めをしていたから。そうすることでチーム全体が守備組織を成り立たせている。これは間違いなく監督の手腕だ。
走ること、動くこと、汗をかくことがチームのプラスになる。選手たちがこの監督が掲げた哲学を信じてプレーできている。単純に「ハイプレス」という言い方をされているけど、バイエルンはそういう守備コンセプトが徹底できている。