チーム&個々の課題、そして大きな傷跡も残ったバイエルン…。

シャビ・アロンソの退場はバイエルンにとって大きな痛手。第2レグに向けての大きな不安材料だ。 (C) Getty Images

完全に封じ込まれたリベリは苛立つことが多く、グアルディオラ監督になだめられる場面も。 (C) Getty Images
2)バイエルンのカウンター対策
1-4の大敗を喫したブンデスリーガ18節のヴォルフスブルク戦で露呈したように、バイエルンはカウンターへの耐性が低い。不用意なボールロストから、高めに設定したDFラインの裏にボールを送り込まれて、GKマヌエル・ノイアーが1対1のピンチに直面しがちだ。
この弱点を晒さないために、ジョゼップ・グアルディオラ監督が講じた対策は、ダビド・アラバのCB起用だった。“本職”のダンチやホルガー・バドシュトゥバーをスタメン起用しなかったのは、敵にDFラインの裏を取られても、走力に秀でるアラバの方が、スピードでリカバリーできる可能性が高いと踏んだからだろう。
現実には、ビルドアップ時にボールロストしても、DFラインの裏を突かれる危険なシーンは一度も訪れなかった。2ボランチを組んだシャビ・アロンソとバスティアン・シュバインシュタイガーを中心に、時にはファウルを辞さない激しい寄せで、パスの出どころを潰していたからだ。
ただし、シャビ・アロンソが2度の警告を受けるなど、紙一重で敵のショートカウンター成立を防いでいたのは事実。試合後、スポーツディレクターのマティアス・ザマーが「まだ改善の余地はある」と語った通り、バイエルンにとってカウンター対策は依然として大きな課題となっている。
3)17試合ぶりの無得点のワケ
バイエルンが公式戦で無得点に終わったのは、ブンデスリーガ9節のボルシアMG戦以来17試合ぶり。3日前のハンブルク戦で大量8得点を挙げた破壊力は鳴りを潜め、グアルディオラ監督は「試合を支配した割に、得点シーンを演出できなかった」と振り返っていた。
ゴールに近付けなかった最大の要因は、ボールラインより後方に9~10人を配すなど、徹底したリトリート戦術を採ったシャフタールの守備が機能していたこと。2~3人による徹底したマークに遭っても、高いキープ力や突破力を武器に、活路を開きかけていたのはロッベンだけで、他の攻撃陣は軒並み精彩を欠いた。
途中交代したミュラーとゲッツェはもちろん、不甲斐なかったのはリベリ。この日唯一の決定機に繋がった31分のパスと、その直後にタッチライン際を突破しかけたドリブルを除けば、見せ場らしい見せ場はなし。チーム平均が89パーセントに達したパス成功率はわずか67パーセントで、執拗なマークに激昂する姿ばかりが目立った。
ただ、ウインターブレイク中に負った右太ももの怪我が癒えてから初めてのフル出場と、弁解の余地がなかったわけではない。勝利が不可欠となった第2レグで、この一戦での不出来を帳消しにできるか注目だ。
文:遠藤孝輔
【写真で回想】バイエルン栄光のCL史
1-4の大敗を喫したブンデスリーガ18節のヴォルフスブルク戦で露呈したように、バイエルンはカウンターへの耐性が低い。不用意なボールロストから、高めに設定したDFラインの裏にボールを送り込まれて、GKマヌエル・ノイアーが1対1のピンチに直面しがちだ。
この弱点を晒さないために、ジョゼップ・グアルディオラ監督が講じた対策は、ダビド・アラバのCB起用だった。“本職”のダンチやホルガー・バドシュトゥバーをスタメン起用しなかったのは、敵にDFラインの裏を取られても、走力に秀でるアラバの方が、スピードでリカバリーできる可能性が高いと踏んだからだろう。
現実には、ビルドアップ時にボールロストしても、DFラインの裏を突かれる危険なシーンは一度も訪れなかった。2ボランチを組んだシャビ・アロンソとバスティアン・シュバインシュタイガーを中心に、時にはファウルを辞さない激しい寄せで、パスの出どころを潰していたからだ。
ただし、シャビ・アロンソが2度の警告を受けるなど、紙一重で敵のショートカウンター成立を防いでいたのは事実。試合後、スポーツディレクターのマティアス・ザマーが「まだ改善の余地はある」と語った通り、バイエルンにとってカウンター対策は依然として大きな課題となっている。
3)17試合ぶりの無得点のワケ
バイエルンが公式戦で無得点に終わったのは、ブンデスリーガ9節のボルシアMG戦以来17試合ぶり。3日前のハンブルク戦で大量8得点を挙げた破壊力は鳴りを潜め、グアルディオラ監督は「試合を支配した割に、得点シーンを演出できなかった」と振り返っていた。
ゴールに近付けなかった最大の要因は、ボールラインより後方に9~10人を配すなど、徹底したリトリート戦術を採ったシャフタールの守備が機能していたこと。2~3人による徹底したマークに遭っても、高いキープ力や突破力を武器に、活路を開きかけていたのはロッベンだけで、他の攻撃陣は軒並み精彩を欠いた。
途中交代したミュラーとゲッツェはもちろん、不甲斐なかったのはリベリ。この日唯一の決定機に繋がった31分のパスと、その直後にタッチライン際を突破しかけたドリブルを除けば、見せ場らしい見せ場はなし。チーム平均が89パーセントに達したパス成功率はわずか67パーセントで、執拗なマークに激昂する姿ばかりが目立った。
ただ、ウインターブレイク中に負った右太ももの怪我が癒えてから初めてのフル出場と、弁解の余地がなかったわけではない。勝利が不可欠となった第2レグで、この一戦での不出来を帳消しにできるか注目だ。
文:遠藤孝輔
【写真で回想】バイエルン栄光のCL史