4人の“陪審員”が評決! アギーレ問題で「任命責任不問」は是か非か?

カテゴリ:日本代表

ファン・カストロ、サイモン・ジョンソン、後藤健生、加部究

2015年02月16日

アギーレが無罪になっても責任は免れない。

イングランドでは代表監督はいわば聖職。真偽の別なくスキャンダルは許されないという。写真はイングランド代表のホジソン監督。 (C) Getty Images

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from ENGLAND
サイモン・ジョンソン記者の評決
 
 イングランド代表監督に八百長疑惑が持ち上がれば、引責辞任が当然だ。
 
 代表監督とは、単なるフットボールチームの監督ではない。国を代表する存在であり、模範でなければならないのだ。不祥事は真偽の別なく言語道断。噂や疑惑でも許されない。代表監督のスキャンダルは、代表チームや協会のみならず、国全体に泥を塗るものだ。
 
 2012年の監督人事で、FA(イングランド・サッカー協会)がハリー・レドナップではなくロイ・ホジソンを選んだのもそのためだ。当時レドナップは脱税疑惑の渦中にあり、FAはこの点を重視したのである。
 
 アギーレ解任問題で、日本サッカー協会(JFA)の幹部が責任を問われるのは当然だ。彼を選んだ張本人たちなのだから。仮にアギーレが無罪になっても責任は免れない。代表チームに悪影響を及ぼしたその責任がある。アジアカップの早期敗退は、アギーレの疑惑と無関係ではなかっただろう。
 
 リーダーシップと決断力の欠如は、後任人事においても大きな懸念材料となるだろう。
 
 JFAの会長、専務理事、そして技術委員長が自主的に給与の返納を決めたが、それも4か月という短期的なものだ。しばらくすれば、また高額のサラリーを全額受け取り、職を失うこともない。
 
 そもそも、大仁会長は「もっと調べておくべきだった」と告白した。みずから責任を認めたのである。これがイングランドだったら、最低でも3人のうち1人は引責辞任している。
(翻訳:松澤浩三)
 
Simon JOHNSON サイモン・ジョンソン
英国の老舗夕刊紙『ロンドン・イブニング・スタンダード』のシニアフットボールコレスポンデントで、ラジオやテレビでもコメンテーターとして活躍する。
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